テーラーメイド グローレ ドライバー(2014年)
打ってみると?(弾道は)
試打クラブはロフト9.5度。シャフトは純正のGL2200。ノーマルポジションの設定でアドレスしてみるとフェースが少し左を向いている。数値的にもフェース角は+1度とフックフェースで、リアルロフトは10.75度となっている。シャフトはシニアゴルファーを意識しているのだろう。Sにしてはやや軽くて軟らかめ。ワッグルすると中間から先端部分が大きめにしなる。長さは46.5インチで総重量が289.2g。バランスはD3.5。硬さの目安となる振動数は242cpmとなっている(長さは60度測定法で計測)。
まずはシャフトの硬さに合せて軽めにスイングして打ってみると・・・「スパーン」とやや控えめなインパクト音とともにボールがやや低めに飛び出した。初代グローレは派手な金属音だったのに対して、2代目のグローレの打球音はソフト。カーボンフェースということもあって、落ち着きのある音だ。
フックフェースだが弾道はストレート。慣性モーメントの大きさを生かして直進性が強い弾道がオートマチックに打てる。フックフェースだが捕まりはそれほど良くはない。スピン量は少なく、キャリーよりもランが出やすい。そして、印象に残ったのがスイートエリアの広さ。芯を外してもヘッドがブレにくく、飛距離ロスが少なくて左右の曲がりも少ない。ミスに対する強さは、初代グローレよりもかなり上回っている。
弾道計測してみると、前作よりもスピンが少ない。いい感じで捕らえると、打ち出し角は12~13度でスピン量は2200~2600回転。インパクト音は控えめだが、スピンが少ない力強い弾道が打てるドライバーだ。
ただし、ちょっと気になったのがフェースの厚み。普通のティアップだとフェースの上側でヒットしづらく、かなり高めのティアップが求められる。加えて超ディープフェースなので、フェースの下半分に当たってしまうと、スピンが増えてしまう。左右のミスにはかなり強いが、上下の打点位置を揃えるにはそれなり技術が求められるだろう。
ヘッドの操作性はあまり高くなく、ドロー、フェードの打ち分けは難しい。意のままに球を曲げることは難しく、直進性の高い弾道が打ちやすいドライバーである。
純正シャフト(GL2200)のSは、切り返しで中間部分が大きめにしなり、ダウンからインパクトにかけては、しなった分だけしなり戻る。シャフトの先端部分が軟らかいので、インパクトゾーンで心地良い加速感を味わえるシャフトだ。
初代グローレはフルチタン。鍛造フェースを採用することでフェースの弾き感にこだわって作られていた。対して2代目グローレはカーボンフェースを採用することで、左右の打点のブレに対してミスの許容範囲が広がっている。そして、低スピン弾道がさらに打ちやすくなっている。ミート率に不安を抱えるゴルファー、スピンが多くて吹き上がって飛距離をロスしている人には、2代目のグローレは道具(クラブ)でさらなる飛距離アップが狙えるだろう。