ヤマハ インプレス RMX ツアーモデル ドライバー
打ってみると?(弾道は)
試打クラブはロフト角10度。シャフトは標準装着のS(TMX-514D)。ブラック色のシャフトには、フジクラのトレードマークであるスピーダーのロゴが大きく入る。ロフト角は10度表示でリアルロフト角が10.25度。フェースアングルは±0度。プロ、上級者向けにふさわしくスペックはかなりハードである。球の上がりやすさよりも、ライナー弾道で低めの弾道をイメージしやすい顔付きだ。
オリジナルカーボンの純正シャフトは軽めで先のしなりを感じやすい。ワッグルすると先端側が大きめにしなる。硬さの目安となる振動数は248cpm。クラブ重量は303gでバランスはD0.5。長さはメーカー値、実測値とも45.25インチ(※60度法による計測)。
アイアンでウォームアップしてから打ってみると・・・「スパン」というインパクト音とともにボールはやや低い弾道で「前に前に」飛んでいく。ヘッドは鋳造だが、鍛造ヘッドのような打感が手に伝わる。リアルロフト角の小ささも影響して、低くて強い弾道がオートマチックに打てる。インパクト音は派手な金属音ではないが、ボール初速はしっかり出ている。非力な人にはボールが上がりづらい感じがするが、パワーヒッターが使えば、吹き上がりを抑えて飛距離を稼げる。
ヘッドの挙動はニュートラル。スクエアフェースだが重心距離がそれほど長くないのだろう。自分の意志がヘッドに伝わりやすく、操作性が高い。ドロー、フェードの球筋を打ち分けやすいドライバーだ(ノーマルポジションの場合)。
ヘッドスピードを46m/sぐらいに上げてもスピンは増えてこない。フェース中央よりもほんの少し上で捕らえると打出し角が11~12度で、スピン量は2100~2600回転。2代目となるRMXシリーズの中では、もっとも強い弾道が打ちやすく仕上がっており、ヘッドスピードが43m/s以上出せる人が飛距離を稼ぎやすいドライバーである。
純正のSシャフトは、ヘッドに比べるとややアンダースペック。手元側の剛性感は高いが、中間から先端にかけては軟らかく、ムチのようなしなり感を味わえる。ハードヒッターやしっかり叩ける人にはややもの足りないが、インパクトゾーンでヘッドの走り感を味わえるシャフトだ。
ヘッドは重心が浅めで強い弾道が打ちやすい。ツアーモデルの名前が示す通り、プロやヘッドスピードが速い上級者がしっかり叩けるドライバーである。そして球筋を打ち分けたい人には、イメージ通りの弾道が打ちやすいドライバーである。ヘッドとシャフトを別々に購入できるので、シャフトにこだわるユーザーにとっては、コストパフォーマンスも非常に高い。