ナイキ ヴェイパー フレックス ドライバー
打ってみると?(弾道は)
『ヴェイパー フレックス』は可変ロフト角なので、ヘッドは一種類のみ。シャフトは純正のS(ヴェイパーグラファイト+三菱レイヨン製)。10.5度のポジションで、リアルロフト角は11度。フェース角は±0度。アドレスすると、フェースはピシッと目標を向く。
ワッグルするとヘッドの重さが手に伝わり、シャフトは手元側がしなる。中間部分はやや硬めだ。振動数は258cpm。純正のSシャフトとしては平均的よりも硬めな仕上がりだ。長さは45インチ。クラブ重量は318.1グラムでバランスはD3.5 となっている。(すべて実測値)
実際に打ってみると、スパンとやや控えめなインパクト音とともにボールは中弾道で飛び出した。打感はややソフトで、球離れがやや遅め。フェース中央で捕えてもスピンがほどよく少なめで、落ち際まで伸びがある弾道が打てる。
球筋はストレートから軽いフェード。洋梨形状の見た目通り、捕まり過ぎない。インサイドからヘッドを入れても引っかけのミスが出づらいドライバーだ。
重心深度をミッドポジションにして弾道を計測すると、打ち出し角が13度前後。スピン量は2400~2800回転。続いて、ローポジションにして打つと、弾道が明らかに変わった。打ち出し角が12度前後。スピン量は2100~2500回転まで減り、放物線弾道で飛距離を稼げた。重心が浅くなるように調整すると、オートマチックに低スピン弾道が打てる。
純正シャフトは切り返しでシャフトの手元側がクイッとしなり、インパクトゾーンではややスローにしなり戻る。切り返しのタイミングが取りやすく、そしてヘッドの入射角が安定しやすいシャフトである。
ヴェイパーシリーズの中で、もっともヘッドが小振りな『ヴェイパー フレックス』。洋梨形状でヘッドが返り過ぎない。典型的なフッカー向けであり、そして、クラブで積極的にスピン量を調整できる魅力的なドライバーである。