ナイキ ヴェイパー プロ ドライバー
打ってみると?(弾道は)
『ヴェイパープロ』は可変ロフト角なので、ヘッドは一種類のみ。ロフト角10.5度のポジションで、リアルロフト角は8.25度。フェース角は-3度。地面にヘッドを置いた時、フェースが開く方向にヘッドが回転するため、オープンフェースの度合が強くなる。
標準装着のシャフトは三菱レイヨンのディアマナ R。ワッグルすると手元が少ししなる。振動数は261cpm。アフターマーケット用のSシャフトとしては平均的な硬さだ。長さは45.5インチ。クラブ重量は316.9gで、バランスはD3となっている。『ヴェイパースピード』に比べると、バランスが2ポイント出ており、実際、ワッグルしたときにはヘッドが少し重く感じる(※すべて実測値)。
実際に打ってみると、シュパーンと乾いた金属音とともにボールはやや低めに飛び出した。スピンが少ない、強い弾道が打てる。球筋はストレートから軽いフェード。重心距離が長めなので、インサイドからあおって打っても左のミスが出づらい。加えて、ヘッド挙動に安定感があり、直進性が高い弾道が打ちやすい。
良い感触で捕えると、打ち出し角が12度前後。スピン量は2200~2600回転。フェースの上側で捕えるとスピン量は1800~2200回転に減り、低スピンの放物線弾道で飛距離を稼げた。ことさら低重心を謳っていないが、しっかり叩いても吹き上がらない(スピンが増えない)ドライバーだ。
ディアマナ Rは切り返しでシャフトの手元が少ししなり、インパクトゾーンではシャフト全体が鋭くしなり戻る。典型的な弾き系シャフトで、ボールを力強く押し出してくれる。捕まりがいいシャフトである。
ネーミングや見た目がガラッと変わった『ヴェイパープロ』。調整機能が付いているが、ヘッド挙動は左のミスが出づらく、スライサーよりもフッカーと相性が良く仕上がっている。叩いても吹き上がりづらいので、ハードヒッターでもガッツリと叩くことができ、その分だけ飛距離を稼げるドライバーである。