マーク金井の試打インプレッション

ピン G LS TEC ドライバー

2016/04/12 09:00

打ってみると?(弾道は)

試打クラブは、ロフト角9度の純正シャフト(ALTA J50)のSフレックス。ワッグルすると、手元部分から中間部分がやや硬く、中間部分から先端部分がしなる。硬さの目安となる振動数は250cpm。純正シャフトのSフレックスとしては平均的な数値だが、前作『G30 ドライバー』のSフレックスに比べると1フレックス以上軟らかい。

長さは45.5インチ(※60度法計測値)、クラブ重量は300.7g。前作と比べて15gほど軽量化されている。バランスはD2。前作同様、カウンターバランス効果で、ヘッドが極端に効いた感じにはなっていない。

ノーマルポジションだとロフト角9度表示で、リアルロフト角も9度。フェース角は-4度。スタンダードモデルのGと同じく、ヘッドを地面にポンと置くとフェースが開く方向に回転するため、オープンフェースの度合いが強く、それにともなってリアルロフト角が小さくなっている。G ドライバー同様、『G LS TEC ドライバー』もスライサーよりフッカーの方が構えやすい顔つきだ。

シャフトの硬さに合わせて、やや軽めにスイングしてみる。すると、1発目は軽めのフェード弾道。『G ドライバー』と同じく、重心距離が長め。捕まりよりも左のミスが出づらいタイプである。

弾道は典型的な低スピン。『G ドライバー』も低スピン弾道が打ちやすいが、この『G LS TEC ドライバー』はさらにスピンが少ない。見た目は似ているが、打ち比べると『G ドライバー』よりも200~300回転ぐらい少ないスピン量の弾道がオートマチックに打てる。

ヘッドスピードを46m/sまで上げて弾道計測すると、打ち出し角は12~13度で、スピン量は1900~2400回転。フェース上側で打つと、スピン量は1600~1900回転前後まで減って、ラフからフライヤーを打ったような放物線弾道で、キャリーとランで飛距離を稼げた。

そして試打して印象に残ったのが振り心地。『G ドライバー』同様に空気抵抗を軽減させた効果なのだろう。前作『G30 LS TEC ドライバー』よりも楽にヘッドスピードが上がり、ボール初速も増している。

弾道的には、オートマチックに直進性の強い球が打てるタイプ。スイートエリアは見た目通り広く、ミスヒットした時でも左右の曲がりは控えめだ。ただし、重心距離が長めなので、テークバックやトップでフェースを開いたり、ダウンスイングで振り遅れたりしてしまうと、右にプッシュアウトしやすい。シャットフェースに上げてスイングしたほうが、方向性は良くなり、飛距離も出るだろう。

純正シャフトのSフレックスは、トップからダウンスイングへの切り返しで中間部分が適度にしなり、タイミングが取りやすい。インパクトゾーンでは先端部分がしなり戻るので、高弾道が打ちやすく仕上がっている。

G ドライバー』も低スピン弾道を打ちやすいが、この『G LS TEC ドライバー』はさらにスピンが少なめの弾道で打ちやすく仕上がっている。スピンをとにかく減らし、キャリーとランで飛距離を稼ぎたいゴルファーにとっては、かなり期待に応えてくれるドライバーだ。

クラブを計測してみると?≫
1 2 3 4 5