マーク金井の試打インプレッション

フジクラ Speeder Evolution III

2016/10/11 08:45

シャフトの挙動

シャフト試打で使うヘッドはテーラーメイドのM2。体積はルール最大級の460cc。ロフトは表示9.5度で、リアルロフトは10度前後というもの。

試打するシャフトの種類は569のSフレックス。50g台をチョイスしたので、45.5インチの長さで組み上げた(60度法計測)。ワッグルすると、ほんの少しであるが手元側がしなる。エボ2よりもシャフト全体のしなり感が少し増している感じがする。

実際に打ってみてまず感じたのが挙動の安定性。Speederシリーズならではの加速感はあるのだが、エボ2に比べると、シャフトの挙動がマイルドでタイミングが取りやすい。1発目からイメージ通りに芯を喰い、力強い弾道が打てる。このSpeeder Evolution IIIにも手元側に金属を装着している影響だと思うが、ダウンスイングで腕の軌道が安定し、インパクトで手元が浮きづらいのだ。

そして印象に残ったのが、振り抜きやすさ。メーカー側は「軽快」さをアピールしているが、感覚的にはしっかり振り抜ける。シャフトは切り返しで手元側がしなり、ダウンスイングではシャフト全体が力強くしなり戻る。ダウンスイングでのしなり戻りが唐突過ぎないから、自分のパワーを余すことなく出し切ることができる。それが振り抜きやすさにつながっているのだ。加速感もさることながら、このSpeeder Evolution IIIは自分のパワーを引き出しやすいシャフトである。

また、エボ2と同様にシャフトの挙動に良い意味で少し遊びがあり、ダウンスイングの軌道が多少乱れても、インパクトゾーンでのヘッド挙動が安定しており、ミート率が低下しづらいのも特徴だ。インパクトゾーンではヘッドがややアッパーに動くので、高弾道が打ちやすく仕上がっている。

方向性に関しては、捕まりが適度に良いにもかかわらず、左へのミスが出づらい。ドローやフックが持ち球のゴルファーも左を怖がらずに振っていける。

Speeder Evolution IIIはSpeederシリーズらしいしなり戻りの鋭い加速感を保ちつつ、挙動の安定性に優れている。これまでのスピーダーシリーズよりもタイミングが取りやすい。プレーヤーが頑張って振れば振っただけ走り、さらなる飛距離アップが狙えるシャフトである。

【適正ヘッドスピード】
Speeder Evolution III 569(S):43~47m/s

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