高弾道キャリーで安定の飛距離「タイトリスト 818 H1 ハイブリッド」
打ってみると?
試打クラブはロフト角23度で、シャフトは標準装着されるタイトリストオリジナルの「MCI 70」のSフレックス(フジクラ社製)。ワッグルすると手元剛性が高く、中間部分から先端にかけてしなる典型的な先中調子だ。
素振りでシャフトのしなり具合を確認してから打ってみた。インパクトでボールがフェースに食いついた感触を手に残し、ボールが力強く飛び出した。
ストレートボールを意識してスイングすると、狙い通りのストレート弾道。アドレスするとフェースがスクエアで、フェースの向き通りにボールが飛んでくれる。ヘッドの挙動が安定しているので直進性が高い弾道が打ちやすい。
ロングアイアンよりもボールが高く打ち出され、適度なスピン弾道。同じロフト角のフェアウェイウッドに比べるとスピン量が少ないが、ロングアイアンに比べると多め。高弾道キャリーで安定した飛距離を得られる。スピン量が適度に入るので、ロングアイアンに比べるとグリーンに止まる球が打ちやすい。
ヘッドスピードを40m/sぐらいに上げて弾道計測すると、打出し角は14~15度で、スピン量は3500~4500回転。グリーンを狙った場合、落下後に少しランが出る弾道になりやすかった。
試打して印象に残ったのがスイートエリアの広がり。左右方向だけでなく上下方向のミスにも強く、ハーフトップ気味に打ってもボールがちゃんと上がってくれた。
タイトリストオリジナルの「MCI 70」は、切り返しで中間部分がしなり、インパクトゾーンではシャフト先端がタイミング良くしなり戻る。切り返しでの挙動がつかみやすいシャフトだ。
前作「816 H1」同様、「818 H1」もアスリート向けのクラブにしてはミスに強く、直進性が高い弾道が打ちやすい。つかまりに関してもニュートラルなので、方向安定性にもすぐれている。打感が同社のフェアウェイメタルと同じなのは、タイトリストユーザーにとってはありがたい配慮である。
ロングアイアンの代わりとしてすっかり定着しているユーティリティクラブだが、この「818 H1」はロングアイアンよりも楽にボールが上がり、ミスにも適度に強い。ユーティリティの王道をいくクラブに仕上がっている。