飛んでやさしい硬派アイアン「ブリヂストン ツアーB X-CBP」
打ってみると?
試打クラブに装着されるシャフトは、軽量スチールの「日本シャフト NSプロ モーダス3 ツアー105」、硬さはSフレックス。
ワッグルすると、手元がクイッと小さくしなる。軽量スチールだが、同社の「NSプロ 950GH」に比べると手元のしなり感を感じやすいシャフトである。
まずは9番アイアンから打ってみた。インパクトではフェースの弾き感が手に伝わり、ボールが力強く飛び出した。弾く度合いは前作よりも増している。メーカーはフェースの肉厚を公表していないが、前作よりも打球面が肉薄になっている感じが手に伝わる。
続いて7番アイアン。こちらもフェースの弾き感が強く、ボールが力強く飛び出す。打感の好みは分かれそうだが、メーカーの意図通り、やさしく高弾道が打てるアイアンだ。
弾道計測してみると、打ち出し角が18~19度で、スピン量は5300~5800回転。ロフト角は31度。前作よりもロフト角が1度減ったことと、重心が低くなったことが、少なからず影響しているのだろう。前作よりもスピン量が300~500回転ほど減り、そのぶん飛距離が増し、当然スピン量が減っているので、落下後のランも少し増えている。
印象に残ったのがヘッドの抜け具合。前作よりもソールの跳ね上がり感が増し、ダウンブローにヘッドを入れた時、ソールが前へ前へと動いてくれる。
5番アイアンを手にしても、やはりフェースの弾き感が強く、前作よりも飛距離性能が上がっている。ロフト角が減った分だけ少し弾道が低くなるが、低重心効果のおかげでボールが上がりづらい感じはなく、イメージ通りのキャリーが出てくれた。
ポケットキャビティ構造のヘッドはやや大きめだが、重心距離はそれほど長くないのだろう。インサイドからヘッドを入れるとドロー、ややアウトサイドからカットに入れると、ほぼイメージ通りのフェードが打てた。
モデルチェンジによってバックフェースの構造が変わり、ミスに対する許容範囲が増し、かつロフト角が1度立ったことで飛距離性能も増している。低重心になったことでややスピンが減った弾道になっているが、それでも飛び系アイアンに比べるとグリーンに止まりそうな球が打ちやすい。
飛びとやさしさを求めつつ、顔の良さにもこだわる中・上級者にとっては、非常に満足度が高いアイアンである。