シャープでやさしく、心地良い打感「ピン G410 アイアン」
打ってみると?
試打クラブに装着されるシャフトは、中量級スチールの「日本シャフト NSプロ モーダス3 ツアー105」、硬さはSフレックス。ピンはライ角を選べるので、試打者に合わせてアップライトなシルバーを用意してもらった。
まずはPWでアドレスしてみた。「G400」に比べるとグースの度合いは控えめで、ヘッドがやや小ぶり。モデルチェンジによってヘッド形状がシャープになったことが一目で分かる。
軽めのスイングで打ったら、イメージ通りの軽いフェード弾道。PWでバウンス角が12度と大きいこともあって、ソールが地面としっかりコンタクトする。ダウンブローにヘッドを入れると、ビシッとした手応えがある。
肉薄フェースを採用しているが、球離れはそれほど早く感じない。バックフェースに貼られたバッジの影響でアイアンらしい手応えが伝わる。
続いて7番を手にすると、PWよりもグースネックの度合いがやや大きい。それでも歴代の「Gシリーズ」の中ではグースの度合いは控えめだ。
普段と同じ感じでスイングしたら、心地良い手応えとともにボールは力強く飛び出した。フェースの弾き感は強いのだが、フェース後方のバッジの影響なのだろう、弾き感が強い割には打感はソフトで、球離れの速さを感じないのだが、飛距離はちゃんと出ている。
7番のロフト角は30度。PW同様、7番もバウンス角が大きめなので、インパクト時にソールと地面がしっかりとコンタクトする。払って打つよりも、ダウンブロー軌道で打つ方がヘッドの抜けが良いアイアンだ。
弾道計測してみると、打ち出し角が19度前後で、スピン量は5500~6000回転。7番アイアンらしいスピン量で、グリーンに落下後、少しだけランが出る弾道が打ちやすい。
印象に残ったのが、見た目よりもミスに強いこと。「G400」よりもヘッドが小ぶりになったにもかかわらず、スイートエリアは確実に広がっている。加えてダフりのミスに強く、ダフっても距離の落ち込みが少ない。
弾道は前作同様に直進性が非常に高く、左右の曲がりが少ない。カット気味にヘッドを入れてフェードを打っても、右曲がりの度合いは自分のイメージの3分の2ぐらいだ。多少芯を外しても、球が左右にブレづらい。
「NSプロ モーダス3 ツアー105」は切り返しで手元側がしなる。「ダイナミックゴールド」を軽くしたフィーリングがあり、吹き上がりを抑えた弾道が打ちやすいシャフトだ。
Gシリーズといえば、パーオン率を上げることができ、確実にスコアアップを狙えるアイアンだが、「G410」はその特徴を継承しつつ、飛距離性能が向上している。
アイアンらしい弾道で、スピン量が安定しているので距離感も出しやすい。デザインがシャープになったことで、見た目にこだわるゴルファーからも満足を得るだろう。