マーク金井の試打インプレッション

ソフトな打感と飛距離性能が両立「キャロウェイ APEX アイアン」

2019/06/04 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるシャフトは、軽量スチールの「日本シャフト NSプロ ZELOS 8」、硬さはSフレックス。シャフト重量は80グラム台と、スチールとしては非常に軽い。

ワッグルするとシャフトの中間部分から先端にかけてが大きめにしなり、Sにしてはかなり軟らかめだ。

まずは9番アイアンから打ってみた。1発目からイメージ通りのストレート弾道。グースネックの度合いが減ったことで、ストレートからフェードの弾道をイメージしやすく、それでいて適度につかまった球が打てる。

ヘッドの挙動はニュートラルで、打感もソフト。フェースの弾き感は強めだが、インパクトではボールを適度につぶしてくれるので、球離れはやや遅めだ。

ソールの形状はバウンス角が強めだが、丸みが強いので跳ねる度合いが少なく、抜けの良さが手に伝わる。ソール幅はやや広めだが、ダウンブローにヘッドを入れるとスパッと振り抜ける。前作同様、ダフりに対する強さよりも、抜けの良さを重視しているのだろう。

続いて7番を打ってみた。フェースの構造が違うので当然ではあるのだが、インパクトの感触が9番とは異なる。フェースの弾き感が非常に強く、球離れも早い。同じアイアンとは思えないほど、ボールが鋭く飛び出す。

弾道は高めで、スピンはやや少なめ。重心位置が低いからか、マッスルバックのアイアンに比べると、スピンがやや少ない。弾道計測してみると、打ち出し角が18.5度前後で、スピン量は5000~5500回転。7番で打つと、落下後にランがほんの少し出る弾道だ。

スイートエリアは見た目よりも広く、打点のバラつきにも強い。ハーフトップ気味に打ってもキャリーの落ち込みは少なかった。

「NSプロ ZELOS 8」はスチールらしいシャープな振り心地がありつつ、カーボンシャフトのようなしなやかなしなり感を味わえる。シャフト全体の剛性はそれほど高くなく、ヘッドスピードがそれほど速くない人、ダウンブローに打ち込まない人の方が、挙動をコントロールしやすいだろう。

ヘッドの大きさはやや小ぶり、形状は適度にシャープで、上級者にも好まれるタイプのアイアンだ。それでいて、ミドルアイアンはフェースの弾き感が増して距離を稼げる。9番以下のショートアイアンはフェースが弾き過ぎず、距離感をコントロールしやすい。

シャープな見た目や素材へのこだわり、なおかつやさしいアイアンを使いたい人や、軟鉄鍛造で飛ぶアイアンを求める人にとっては、大いに期待に応えてくれるだろう。

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キャロウェイ
発売日:2019/02/08 参考価格: 155,520円