低スピンで安定の飛びと高い操作性「タイトリスト TS4 ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角9.5度。シャフトはグラファイトデザインと共同開発したという「ツアー AD 60 by Titleist」のSフレックス。
スタンダードポジションでヘッドを地面に置くとフェースがわずかに開くが、兄弟モデルの「TS2」や「TS3」に比べると、開く度合いは控えめだ。
シャフトはワッグルすると手元側がしっかりしており、中間から先端部分がやや控えめにしなる。アスリート向けシャフトらしい剛性感がある。
ややヘッドスピードを落として打つと、「シュパーン」と爽快な金属音とともにボールは低めに飛び出した。「TS2」と同様、クラウン部分がかなり薄肉になったことで、手応えが非常にソフトになっている。
弾道は伸びのある低めの弾道。リアルロフト角が小さいことも影響しているのだろう、ボール初速もしっかり出ている。
ヘッドスピードを45m/s以上に上げて弾道計測してみると、打ち出し角は10.5度前後で、スピン量は2300~2700回転。打ってみると、見た目ほど重心は浅くないことが分かる。打ち出し角が高くないのは、リアルロフト角が小さいからだろう。
スピン量は重心が浅い分だけ「TS2」よりも少なめだ。浅重心のドライバーにありがちなドロップ(スピンが少なすぎる弾道)は出づらい。打ち方との相性もあるが、スピンが少なすぎる訳ではないので、安定してキャリーを稼げる。
印象に残ったのが操作性の高さ。ヘッドが小ぶりだから当たり前と言ってしまえばそれまでだが、インサイドからヘッドを入れればドロー、アウトサイドからカットに入れればフェードを打てる。特に低めのフェードが打ちやすく感じ、TSシリーズの中で最も意図的に球筋を打ち分けやすい。
純正シャフトの「ツアー AD 60 by Titleist」は切り返しで中間部分がしなり、ダウンからインパクトにかけては先端側が適度なスピードでしなり戻る。中間部分がしなるタイプで、ニュートラルな特性。挙動安定性に優れているシャフトだ。
兄弟モデルの中で最も低スピン弾道を打ちやすく、かつ操作性に優れている「TS4 ドライバー」。スピンを少しでも減らして飛距離を伸ばしたい人、ドライバーで弾道を打ち分けたい中・上級者にとっては、非常に満足度が高いモデルだろう。