打点がぶれても、飛んで曲がらない「三菱ケミカル ディアマナ ZF」
シャフトの挙動
シャフト試打で使うヘッドは、テーラーメイドの「M3」。体積は460cc、表示ロフト角が9.5度で、リアルロフト角は10度前後というもの。
試打するシャフトは50g台の硬さS。グリップすると手元側がやや太めで、ワッグルしても手元はあまりしならない。中元調子のわりに手元側のしなり量が非常に少なく、シャフト全体のしなり量も控えめだ。
まずはやや軽めに打ってみた。ワッグルした時には感じられなかったが、実際に打つとシャフトの手元から中間にかけての部分がクイッとしなり、ダウンからインパクトにかけては、シャフト全体がスピーディーにしなり戻る。
シャフトの挙動は「DF」と「BF」の中間ぐらい。先端側の剛性はディアマナ第4世代の中ではもっとも高い。
シャフトのバネ性に関しても「DF」と「BF」のちょうど中間ぐらいで、弾き感の強さがありつつ、挙動もコントロールしやすい。
シャフトの先端剛性が高いので、インパクトゾーンでヘッドの入射角が安定している。実際に1発目からフェースセンターでボールを捉えることができたし、何発打っても打点位置が変わりづらい。
加えてシャフト先端の動きが少ないので、インパクトでフェースが被りにくい特性も持ち合わせている。
ヘッドスピードを46m/sぐらいまで上げて弾道計測すると、打ち出し角は12.5度前後で、スピン量は2400~2800回転。入射角が安定していて、低スピン弾道がオートマチックに打てる。
操作性に関しては、ストレートに打つつもりでスイングするとストレートから軽いフェード弾道となる。つかまりは「BF」と同じくらいで、「DF」よりも良い。基本的に、叩いても左へのミスが出にくくチューニングされている。
「ZF」は「DF」より元調子の感じが薄れているが、先端剛性が高いことで中元調子に仕上がっている。また中間剛性を「DF」より少し低くすることで、タイミングが取りやすくなっている。
直進安定性の高い弾道が打ちやすく、かつ左へのミスを軽減できる。ストレートやフェード弾道で飛距離を稼ぎたい人、低スピン弾道で飛ばしたい人にとっては、非常に満足度が高いシャフトである。
【適正ヘッドスピード】
ディアマナ ZF(50、硬さS):43~47m/s