マーク金井の試打インプレッション

大型ヘッドでやさしい軟鉄鍛造「ミズノプロ 920 アイアン」

2019/12/17 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるのは、軽量スチールシャフトの「日本シャフト NSプロ ゼロス7」、硬さR。シャフト重量は70グラム台と、スチールとしては非常に軽い。

まずは9番アイアンから打ってみた。スパーンとボールを包み込むインパクト音とともに、スピンが効いた高弾道。打感はソフトで、フェースがそれほど薄くないので球離れが早くない。スピンがしっかり効くし、弾道もコントロールしやすい。ミスの許容範囲が広く、それでいてアイアンらしい弾道が打てる。

続いて7番アイアン。こちらはダブルポケットキャビティ構造で、インパクトでボールがフェースに乗る感触が味わえる。厳密に言うと、9番よりは少し球離れが早くなるが、それでも打感はソフトで心地良い。インパクトの手応えはソリッドで、かつボールがつぶれる感触が手にちゃんと伝わる。

打ち出し角は17~18度で、スピン量は5600~6100回転。しっかりとスピンが効いた弾道が打て、落下後のランは僅かでグリーンに止まる球が打ちやすい。

ソールは丸みが強くバウンス角が小さめなので、インパクト時の接地感がそれほど大きくなく、抜けが良い。ソール幅が広いので、ダウンブロー軌道でヘッドを入れてもヘッドが深く入り過ぎず、ダフりのミスに強そうだ。

ミスへの許容範囲は見た目通りに広く、打点が多少左右にブレても飛距離は落ちないし、方向性も安定している。今まで試打したことのあるミズノプロ アイアンの中で、最もスイートエリアの広さを感じる。

NSプロ ゼロス7」は、スイング中にしなりを感じやすいシャフトで、特にインパクトゾーンでは先端側のしなり幅が大きめ。ダウンブローに打つよりも、浅い入射角でヘッドを入れた方が、シャフトの良さを引き出せる。

食いつく打感は何とも心地良く、弾道をコントロールしやすい。大型ヘッドにもかかわらず、軟鉄鍛造らしいソフトな打感を味わえるアイアンだ。適度な飛距離性能を求めつつ、アイアンならではのソリッドな手応えを求めるゴルファーにとっては、非常に満足度が高いアイアンである。

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ミズノ
ミズノなのに、やさしい。
発売日:2019/09/20