マーク金井の試打インプレッション

ミスへの許容範囲が広く飛びっぷりがいい「ミズノプロ 520 アイアン」

2019/12/24 05:00

打ってみると?

試打クラブに装着されるのは、軽量スチールシャフトの「日本シャフト NSプロ 950GH neo」の硬さS。シャフト重量は90g台後半と、軽量スチールとしては標準的な重さだ。

まずは9番アイアンから打ってみた。スパンとやや球離れが早めの手応えとともに、ボールが飛び出した。

打感は軟鉄鍛造ならではのソフトさがあるが、「920 アイアン」に比べるとフェースの弾きが少し強く感じる。初速も出ており、飛距離も出ている。スピンはしっかり効いているので、ショートアイアンらしい弾道であるが、ロフト角の割に飛びっぷりがいい。

続いて7番アイアン。こちらも軟鉄鍛造ヘッドにしてはフェースの弾きが良い。ぶっ飛び系の肉薄フェースのアイアンに比べると打感はソフトだが、ボール初速が出ていて距離も出ている。スピンがしっかり入った弾道で、160ydを安定して超えてくる。

弾道計測すると打ち出し角は20~21度で、スピン量は5900~6300回転。落下後のランは数ydで、グリーンにピタッと止まる球が打ちやすい。

ソールは丸みが強く、バウンス角も大きくない。インパクト時の接地感がそれほど大きくなく、抜けが良い。ソール幅がそれほど広くないので、ダウンブロー軌道でヘッドを入れるとターフをしっかり取っていけそうだ。

ストレート弾道で、ヘッドはほど良い操作性があり、ドロー、フェードの打ち分けもイメージ通りに出来るアイアンだ。

ミスへの許容範囲は見た目以上で、打点が多少左右に外れてもヘッドのブレが少なく、飛距離、方向性も安定している。「920 アイアン」よりも小ぶりながら、ミスに対する許容範囲は負けず劣らず広そうだ。

「NSプロ 950GH neo」は手元側の剛性が高く、しなり感が控えめなシャフト。インパクトゾーンではスピーディーにしなり戻るタイプで、ボールを高く打ち出してくれる。剛性感が高いので、ダウンブローに打っても中折れしない。浅い入射角でヘッドを入れると、シャフトのしなり戻りを有効に使え、高弾道でスピンが効いた弾道が打ちやすく仕上がっている。

好みは分かれそうだが、フェースの弾きの良さは飛びにつながっており、ストロングロフトではないにも関わらず飛距離性能が適度に高い。操作性に関してはほど良く、スイートエリアの広さを実感できる。飛距離性能を求めつつ、操作性の高さも求めるゴルファーにとっては、大いに期待に応えてくれるアイアンである。

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