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中古ギア情報

ユーティリティの元祖・名器“タラコ”を探せ!

30年前のゴルフ雑誌を読み返してみると、「ロングアイアンをどう打つべきか?」という記事が多く掲載されていた。ウッドはパーシモン、シャフトはスチール、アイアンセットは3番からというのが定番だった時代。まだユーティリティもショートウッドも、キャビティアイアンでさえ一般的でなかった頃、ゴルファーはロングアイアンに手を焼いていたのだ。

そんなときに突如救世主的クラブが現れた。1988年にプロギアから発売された「インテスト」、今は亡き竹林隆光氏が設計したクラブだ。ヘッドは大きく、ソール幅はかなり幅広、今のアイアン型ユーティリティのような形状。素材はステンレスのフレームにカーボンをコンポジットしてあり、色はまさに“タラコ”によく似ている赤茶色。シャフトはカーボンで色はつや消しの黒、全く既存のクラブとは違う独特の雰囲気を漂わす、まさに“突然変異”のようなクラブだった。性能は、残り170~200y前後の距離をいとも簡単に打てるやさしさを持っており、その使い勝手の良さに多くのアマチュアゴルファーが食いついた。筆者も決して安くない当時48,000円の「インテスト」を2本購入し、苦手だった200y前後を攻略した記憶がある。

まさにユーティリティの元祖ともいえる「インテスト」。既に発売開始から26年も経過しているが、いまでもゴルフ場で見かける。気になって何件か中古ショップを見てまわると、意外や意外、一世を風靡した代物だけあって簡単に見つかった。価格は980円、さすがに26年経つとこんなに安くなってしまうのか……と感慨深かったが、逆に考えると26年経ったいまでも商品として価値があるということに驚いてしまう。

早速、この中古「インテスト」を購入して試打してみる。すると、そのやさしさは現代でも通用するレベル。超低重心構造の上に、カーボンフェースはスピンがかからないので、低スピンのボールが高い打ち出し角で飛んでいく。既成概念とは無縁の「インテスト」、まだまだ実戦で武器となる性能を持っているのだ。中古ショップは素敵なクラブの博物館、驚くべき名器が近くに眠っていることもあるので、近くに寄った際にはぶらりと覗いてみることをおすすめしたい。

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