ギア情報
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テーラーメイド特集
2024/02/08

カーボンウッドが追求する飛距離への無限の可能性

連載:ギアの進化はカーボンウッド時代へ
カーボンウッドが追求する飛距離への無限の可能性 高慣性モーメントのやさしさと最大の飛距離性能を追求した「Qi10」シリーズ(撮影:岡崎健志)
高慣性モーメントのやさしさと最大の飛距離性能を追求した「Qi10」シリーズ(撮影:岡崎健志)

テーラーメイドの「Qi10」シリーズが発売された。その名称は、「Quest」(探求する、追求する)、「Inertia」(慣性)の頭文字と、上下と左右方向の慣性モーメントの合計値10,000g・cm2(10K)を意味している。

高慣性モーメントが生み出した直進性やミスヒットに強いやさしさはもちろんだが、「Qi10」が目指したのはそれだけではない。飛距離性能をいかにやさしさと両立させたのか。その秘密を探求してみたい。

カーボンフェースがもたらした軽量化の恩恵とは

カーボンウッドが追求する飛距離への無限の可能性 ヘッド後方とヒール側にウエートを配置することでスクエアインパクトをしやすい重量配分にしている(撮影:岡崎健志)
ヘッド後方とヒール側にウエートを配置することでスクエアインパクトをしやすい重量配分にしている(撮影:岡崎健志)

高慣性モーメントの弱点は、インパクト時のヘッド挙動にある。フェースが開いたままインパクトを迎えれば、ロフトが増え、右方向にスピン量の多い球が出てしまう。今までの高慣性モーメントヘッドだと、フェースの開閉がスムーズに行われず、フェースが開いた状態でヒットすることが飛距離ロスの原因となることが多かった。

この課題を「Qi10 MAX ドライバー」はクリアした。その要因はカーボンフェースの存在だ。テーラーメイドのハードグッズプロダクトディレクターである高橋伸忠(敬称略)が解説する。

「軽量なカーボンフェースを採用することで、その大きな余剰重量をヘッド後方に持っていきました。重心位置を深くしながら、フェースが戻ってきやすいようにウエートを調整。高慣性モーメントのヘッドなので、ヘッドがインパクトまでにスクエアに戻ってくれば、本当に曲がりづらいストレートな弾道で飛んでいきます」

ヘッド素材に軽量カーボンを使用して、後方に30g、ヒール側に4gのウエートを搭載。この重量配分と重心位置の最適化で高慣性モーメント化に成功し、スクエアインパクトの実現に効果を発揮している。

フェース反発ではなくヘッド全体で初速アップ

カーボンウッドが追求する飛距離への無限の可能性 ボール初速を上げるのにヘッド全体のエネルギー伝達効率を図った(撮影:岡崎健志)
ボール初速を上げるのにヘッド全体のエネルギー伝達効率を図った(撮影:岡崎健志)

さらに「ステルス」「ステルス2」の両シリーズで培われたカーボンフェースの特性を生かした飛ばしの技術が進化している。

「カーボンフェースには無限の可能性があります。金属フェースのドライバーがフェースの反発性能で飛ばしているとしたら、我々はフェースとヘッドの相関関係でエネルギーの伝達効率を高めて飛ばしています。反発係数を規定の範囲内に抑えても、これまで以上に飛ばすことができるのです」

ゴルフクラブのルールでは、フェース上の反発係数(COR)が、0.830を超えてはいけないという規制がある。過去にはこの数値をギリギリに設定するテクノロジーも開発されていた。しかし、カーボンフェースでは、反発係数のルールに抵触することなく、ヘッド全体のエネルギーの伝達効率を高めることで、ボール初速が向上。今まで以上の飛びを実現している。

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