ミズノST200を筒康博が試打「シャフト・ロフト選びが肝心」
ミズノ「ST200 ドライバー」の評価は!?
ミズノ史上初めて世界同時に発売された「ST200」シリーズ。同社は海外でヒットした「ST190」を進化させ、本気のグローバル戦略モデルとして舵を切った。そんな同シリーズ2モデルを比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「カチャカチャで調整必須…」
―率直な印象は?
「ヘッド自体は弾きも良く、明確に飛距離性能を感じられましたし、打感も好みの感触でした。ただ、ロフト角とシャフトの種類を間違うと、まったく使えないスペックになってしまう危険性があります。カチャカチャ機能を使い、ロフト角を調整したり、装着シャフトを組み替える必要があると思いました」
―フィッティングが必要?
「そうですね。純正シャフト単体を打ってみて良し悪しを判断するというより、ヘッドを生かすために自分はどういうシャフトを使えば良いか、じっくり試打してフィッティングを行う必要があるかなと思います」
―その要因はどこに…?
「『ST200 ドライバー(以下200)』のロフト角9.5度設定で、+-2度調整可能です。今回9.5度のまま試打を続けたのですが、全然ボールが上がりませんでした…。たぶんシャフトとの相性が強すぎて、ニッチなスペックになっているのだと思います」
―“世界基準”という部分は感じる?
「ヘッド単体はここ数年のミズノのドライバーの中でも、スイートエリアが広く、ミスへの寛容性を感じました。前作の『ミズノプロ』シリーズ(ミズノプロ モデル-S ドライバー、ミズノプロ モデル-E ドライバー)と比べても、飛んで曲がらない性能に仕上がっています。極端にロフト角が立っている訳でも、重心距離が短い訳でもなく、幅広い層に受け入れやすいモデルに仕上がっています。フェースの向きも合わせやすく、ヘッドの厚みも適度で構えやすい。そういう意味で“世界基準”であることは大いに頷けます」
―「ST200X ドライバー(以下200X)」との違いは?
「『200』の純正シャフト(ツアーAD GM-200 D)が非常にしっかりしていて、他社メーカーに比べて、かなり“軽硬”に仕上がっています。逆に『200X』のシャフト(20 MFUSION D)は、とてもしなるタイプ。キャロウェイ『マーベリック』シリーズの『マーベリック ドライバー』と『マーベリック MAX ドライバー』の純正シャフトは重さ自体も違って特色を明確に分けていましたが、その違いよりも大きな差を、『200』と『200X』で感じられました」
―どのような人向き?
「とにかく飛ぶヘッドを探している人。曲がるか曲がらないかといった方向性ではなく、とにかく飛距離というところを求めている人に、チャレンジしてほしいモデルです。打ちやすいかどうかはシャフトの種類で大きく変わりますので、フィッティングが必要な地クラブ要素の強いモデルとして、購入を考えるべきかなと思います」
シャフトの不一致で寛容性3.5点…【総合評価4.0点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:ツアーAD GM-200 D/硬さSR
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 筒 康博 プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。