RMX VD59 ドライバーを筒康博が試打「高い打音は仕方なし」
ヤマハ「RMX VD59 ドライバー」の評価は!?
高慣性モーメントで直進性&安定感のあるモデルとして新登場したヤマハ「RMX VD」シリーズ。慣性モーメント値をルール上限(5900g・cm2)ギリギリまで高めた「RMX VD59 ドライバー」は、アベレージゴルファーの味方となり得る“飛んで曲がらない”クラブとして話題上昇中だ。そんな新RMXをプロモデル「RMX VD ドライバー」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?
「朝イチショットの不安を消すには最適」
―率直な印象は?
「高慣性モーメントということで、対抗馬としては、ピン『G425 MAX ドライバー』ではないかと思います。従来の打音や美しい顔を期待するゴルファーにとっては、少し予想外かもしれませんが、とにかく球をつかまえたい、安定させたいという人には、うってつけのクラブになると思います」
―つかまり具合は強め?
「そうですね、つかまりは強いほうだと思います。ですが、純正シャフト『ディアマナ YR』との相性が良く、振り心地としては、それほど極端にヘッドの存在感を意識するものではありません。元々がドローヒッターで、それほどつかまりを求めない私にとっては、少し巻き球が増えてしまう印象はありますが、自分でフェースを返す動きを抑えめに打てば良い球は出ていたので、問題ないレベルだと思います」
―逆に気になる点は?
「ここまでの投影面積の大きさが必要かどうかという点。これほどのサイズ感を実現すると、どうしても『パコーン』という高い打音が出てしまいます。この甲高い音に好みは分かれそう。それ以外は、すごく良かったです。プッシュアウトのミスに悩む人からすると、こういうモデルが合うと思いますし、私のような左へ引っかけるミスが気になる人には、ソール後方のウエイトをトウ側に移動すれば軽減できます」
―音にこだわるヤマハとしては少し異質?
「うーん…単純に好みの問題ではないでしょうか。『VD59』とは対照的に、『VD』はこれまでのモデルと同じく耳心地のいい音がして、単純に私が『VD』派だったというだけのこと。甲高い音で実際よりも飛ばせている雰囲気を味わいたい人には、『VD59』のほうが合うと思います」
―「VD」と比べると?
「『VD』は上から見た際のサイズ感や形状も理想的で、とても構えやすかったです。プロモデルであるのに打ち出し角は低すぎず、比較的ちゃんと出てくれる。私のようなフェースターンをしっかり入れるスイング型からすると、『VD59』のつかまり感はやや強く、『VD』のほうが扱いやすく感じられます。ただ、どちらも前作の『RMX 120 ドライバー』『RMX 220 ドライバー』に比べれば、ボール初速の出しやすさやアライメントの取りやすさなど、グレードアップしている要素は多く感じられます」
―どのような人向き?
「ドライバーで右へのミスに悩んでいる方、インパクトでフェースが開きっぱなしに当たってしまう人向きです。右へのプッシュアウトや、右から右に曲がるスライスが頻発するゴルファーには最適。特に、朝イチショットがいつも右OBしてしまうという人には、危険を減らせて信頼できるドライバーになってくれると思います」
筒もVD派 VD59にはやや辛口【総合評価3.8点】
【飛距離】4.5
【打 感】3.0
【寛容性】5.0
【操作性】3.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:10.5度
・シャフト:ディアマナ YR 50(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。