Qi10 MAX ドライバーを筒康博が試打「『SIM2 MAX』に代わる名器候補」
テーラーメイドの新機軸10Kドライバー ご意見番クラブフィッターの評価は!?
Qi10 MAX ドライバーをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
テーラーメイドが新たに提唱するドライバーのやさしさの世界基準“10K”。上下左右の慣性モーメント合計値1万超えを果たした「Qi10 MAX ドライバー」は、飛び(SPEED)とやさしさ(FOR GIVENESS)を両立させ、カーボンウッドをより多くのゴルファーに訴求するモデルとして進化させた。そんな“ぶっ飛び系10K”をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「ゼロスタートの挑戦 好き嫌いははっきり分かれそう」
―率直な印象は?
「同社のMシリーズ以降(2015年発売の初代「M1」「M2」から)のモデルで、一番と言っていいほど寛容性が高いドライバーだと感じました。やさしさと飛びを両立した部分では、21年発売『SIM2 MAX ドライバー』に似ていて、弾道の高さが出しやすく、キャリーが楽に出せる性能としては、それ以上かも。大きなスライスもフックも出にくく、同社が現時点で考える“やさしいドライバー”をそのまま具現化した印象を受けます」
―見た目の感想は?
「ヘッド後方が大きく、投影面積が増えた分、『ステルス』シリーズ以降のシルエットに慣れている人からすると、すごく違和感を覚えるかもしれません。クラウンの転写マーク『T』をセンターとして目安に置くと、アドレスして上から見たイメージでは、スイートスポットがかなりシャフト寄りに感じます。重心距離はそこまで長くないのかもしれません。これまでとはかなり様変わりして新鮮な半面、昨年まで同社モデルを使っていたゴルファーからすると、好き嫌いは明確に分かれる気がします」
―“10K”はメリットも大きいがデメリットも大きいのでは?
「高慣性モーメントヘッドというと、飛んで曲がらないブレにくいメリットがある一方、開いたフェースが戻りにくい、重心が深すぎて(ヘッドの)お尻が垂れるというデメリットも、よく耳にしたりネットで目にしたりします。ですが、それは全てダウンスイング以降の話。フェースが開いたら…、お尻が垂れたら…と悩む前に、そもそもバックスイングからフェースは開きにくいし、お尻も垂れにくい。アドレス状態を維持しようとする特性が強いだけと捉えるべきです。そう考えると、大型なサイズの割に意外とサイドスピンもバックスピンも入りにくいと思います」
―兄弟モデル2機種と比べると?
「昨年までの同社ファンからすると、『Qi10』『―LS』の2択になるでしょうか。他2機種は『ステルス2』シリーズをしっかり継承していて、まさにバージョンアップモデル『ステルス3』と言い換えられる印象。『―MAX』とここまで違うと、実際に購入するゴルファーは大きく異なる気がします。一発の飛びでいえば『Qi10』『―LS』のほうが上。18ホールを考えたときの平均的な安定感を考えれば『―MAX』。そう考えると、いまだに使用するプロがいるほど、飛びと寛容性を併せ持つ名器『SIM2 MAX』と重なる部分は多い気がします。『―MAX』は他の2機種と違い、発売直後から予約が殺到するタイプではなく、徐々に火が付く後々になってから名器扱いされるモデルではないでしょうか」
―今年は、他社との商戦構図が変わった?
「そうですね。昨年までは、キャロウェイとの2社で対比してフィーチャーされてきましたが、今年はピン『G430 MAX 10K ドライバー』も含めて、近年稀(まれ)にみる三つ巴といった構図です。それぞれ違う個性を持っているので、くっきり購入者は分かれる気がします。同社のテクノロジーにハマっている方は、互換性のあるスリーブ付きシャフトを持っていることもあり、そのまま移行するでしょう。また同様に、キャロウェイもピンもそのままスイッチを考える。野球で例えると、巨人ファンが中日ファンに、中日ファンが巨人ファンにならないように、ブランドを行き来するゴルファーは少ないのではないでしょうか」
―どのような人向き?
「現在、同社の過去モデルを使用していて、新しいテクノロジー“10K”を試してみたい人。今までテーラーメイド=難しいイメージを抱いていた方が、新たに手にしたいやさしいモデルだと思います。軽量シャフトを挿せば、『ステルス グローレ』に近いと言う人もいるかもしれませんが、直進性&高弾道の打ちやすさという面では全然違う。本当の意味で同社が新たに挑んだ“ゼロスタート”のモデル。新たなチャレンジを、ぜひ体感してほしいと思います」
全体的にハイスコアだが 構えやすさは3.5△【総合評価4.3点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:Diamana BLUE TM50(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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