B3 MAX ドライバーを稲場智洋が試打「ハードヒッターにも頼れる軽量」
モノコック構造×新ミーリングフェース 大谷似な豪快スイングコーチの評価は!?
ブリヂストン史上最も高慣性モーメント設計で、ブレずに飛ばせる「B3 MAX ドライバー」が今春発売された。カーボンモノコックボディで軽量化を図り、独自のミーリング加工を施したバイティングフェースでビッグドライブを生む。そんな同社が誇る“国産MAX”をヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。顔は“控えめな大谷翔平”&スイングは豪快(HS50m/s)なゴルフテックコーチ・稲場智洋の評価は!?
「軽量モデルの頼りなさゼロ 安定した飛びを生むオールラウンダー」
―率直な印象は?
「シニアや女性向けという印象の強い軽量モデルではありますが、HS40m/s後半の私でもすごく好印象を受けます。ただ、やはり通常のスイングスピードではボールは吹け上がってしまうので、意識的に緩めに振ってみたものの(平均47m/s)、ボールは適度につかまり、ストレートに近い弾道が得られました。飛距離も270~280ydと安定して出て、すごく扱いやすい。最大飛距離にこだわらず、平均200yd後半で収まる球筋で勝負するなら、今作で十分と思えてしまうほど満足のいく試打内容でした」
―打ち応えは頼りなくない?
「頼りない感じは全くなかったです。対象HSは40m/s前後、またはそれ以下のゴルファーがターゲットだと思うのですが、私が打っても当たり負けてしまう感じはありません。40g台の純正シャフトだったので、さすがにある程度振り切ってしまうと、ボールがどこに行くか分からなくはなってしまうシーンも見受けられましたが、ヘッド性能が速さに耐えられないとか、思うような軌道で動いてくれないといったマイナスな印象は全くなかったです」
―兄弟モデル「B3 MAX D ドライバー」と比べると?
「『B3 MAX』と大きな違いはありませんが、適度なつかまり=ドローの『D』っぽさは感じます。ヘッド後方が少し長めで、若干ヒール寄りに重心を持ってきている感じがする。変にフックフェースの度合いが強いわけではなく、両モデルを見比べて若干フックに入っている気がするだけで、つかまりそうという雰囲気が湧く。逆に『B3 MAX』がつかまり具合が弱いわけではなく、両モデルともつかまりはいい中で少しだけつかまりを抑えているかどうかという差。微小な違いでしかないため、あとはフィーリングの合う合わないで決めてよいのではないでしょうか」
―新加工のフェースが打感&初速に影響してはいない?
「フェース面自体には打感や打音に影響はしていないと感じます。シンプルにボールが滑らず乗ってくれる感じが持てる点がメリットで、緩めて振ったときにも決して右方向に抜けることなく、ストレートから軽いドローが出るところが最大の長所。『―D』ほどつかまらずに右のミスに強く、しかもつかまりすぎない中間的性能を引き立たせています。もちろん他の『B1』『B2』シリーズの兼ね合いもありますが、かなり初~中級者までターゲット層は幅広いと感じました」
―他社の軽量モデルと比べると?
「飛距離がしっかり出る印象です。同時期発売テーラーメイド『Qi10 MAX LITE ドライバー』と比べても、今作のほうが飛んでいました(平均276.8yd、『Qi10 MAX LITE』は272.2yd)。同じようにスイングを緩めても飛距離が出ていたので、性能として評価できます。海外ブランド全体に比べても見劣りせず、それ以上の感覚が持てる。特に打感が似ていて、フェース面の新たなミーリング加工は独自の強みではありますが、打音を含めたフィーリングは海外ブランドそのものでした。インパクト時にボールに吸いつき、程よく弾いて飛ばせる感覚が残ります。マイクラブがピン『G430 LST ドライバー』の私が全く違和感なく打つことができたのも、その証拠ではないでしょうか」
―どのような人向き?
「オールラウンド、どんなゴルファーでも使えそうな限定しないイメージです。軽量モデルなので対象HSは40m/s前後になると思いますが、私くらいのスピードでも適合シャフトを合わせれば扱えるモデル。ハードヒッターでもちょっとボールが最近つかまらない人、少しスライスが強い人にも試す価値はあると思います。また、同社の『B1ST』『B2HT』が合わなかった方にも、軽量モデルだからと手に取る前から諦めてしまわずに、一度は試してほしいと思います」
HS40後半でも飛ばせる! 納得のオール4【総合評価4.0点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:VANQUISH BS40 for MAX(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 稲場智洋(いなば・ともひろ) プロフィール
1992年5月2日生まれ、栃木県出身。ゴルフショップをしていた祖父の影響でゴルフに触れ、大学時代から本格始動。一度は食品会社に就職するものの、独学でゴルフを勉強し、レッスン業界に。自身もゴルフテックの理論を用いて上達を実感した一人であり、自身の経験を踏まえながらサポートしていく。ゴルフテック恵比寿店勤務。