キャロウェイ OPUS ウェッジを筒康博が試打「面取り上手なソール」
溝+2本の新ブランドウェッジ ご意見番クラブフィッターの評価は!?
キャロウェイ OPUS ウェッジをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
今月13日に発売されたキャロウェイの新ブランド「OPUS(オーパス)ウェッジ」。溝と溝の幅を狭くしたことで、前作「JAWS RAW ウェッジ」より溝が2本増え、ラフや濡れた芝の上でもスピン量が安定して増加するという。打ち出し角を低く設定することでコントロール性能もアップした新ブランドウェッジを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が試打評価を行った。
「アイアンとの流れを図った形状 爽快な振り抜きを演出する構造」
―率直な印象は?
「すごくスッキリしたシンプルなデザインでクセがなく、とても構えやすいです。ロフト角50~52度のモデルと56~58度では、リーディングエッジ(フェース下部の刃)の付き方が微妙に違い、50~52度は比較的にラウンド(曲がり方)が緩やかで、アイアンの延長で構えられます。今回はグリーン周りでの試打でしたが、この形状なら100yd前後のフルショットを打つシーンでも、打ちやすさを実感できるのではないでしょうか」
―見た目以外に打ちやすさが感じられた部分は?
「ソールの面取りが考え尽くされている設計なのか、接地面積がかなり狭く、面の中心部だけが着地しているような爽快な感触が残ります。軽い当たりの抜け感が軽快で、すごく気持ちいい。抵抗感が微小なので、深いラフや硬めのバンカーでも、ボールを拾っていけるイメージが湧きます。シンプルで操作性を重視したフォルムなのに、中身は抜群の使い勝手を発揮する性能。ギャップを感じられるモデルに仕上がっています」
―前作「JAWS RAW ウェッジ」と比べると?
「プロのトーナメント会場になるコースは硬くて速いグリーンが多いので、スピン性能は高ければ高いほど良いのですが、逆にそのぶん溝の耐久性が落ちたり、入射角の入り方ひとつでかかり具合に大きな差が出ることが多いです。特に『JAWS』シリーズはスピン性能に特化していたイメージでしたが、『OPUS』はバランスの良さが備わっています。構えやすさ、振りやすさ、サイズ感、スイートエリアの広さという全項目が全て整っている印象。ダフリやミスしたときのボールの飛び姿が、うまく打てたときとそこまで大幅に変わらないメリットを感じる。意外とプロよりもアマチュアゴルファーのほうが恩恵を受けやすいモデルかもしれません」
―バンカーでの対応力は?
「12~14度のハイバウンスモデルを使いましたが、砂へのコンタクトが楽に感じられました。花道のときと同じく面取りのうまさが際立って感じられます。元々、同社はソールの後ろ側が大きく取れているモデルが多いのですが、今作は特にしっかり砂に当たっているのに、抵抗感が少ないので軽快に振り抜いていけます。最小限の力加減でも結果がともなってくれると言いますか、意図せず弱めに打った場合や振った分だけしっかり距離を稼ぎたい場合でも、狙い以上のキャリーで助けてくれる。非常に“操作性のいいソール”という感想を持ちました」
―アイアンとのつながりが良いとのことですが、どのアイアンにも合う?
「そうですね。実は今までの『JAWS』シリーズは、人気のキャロウェイアイアンとちょっと打感が異なる印象を持っていました。今作は、最新モデル『APEX』『X FORGED』といった人気モデルのアイアンと似たフィーリングが得られます。どんなボールでも十分に球持ちの長さを実感できるので、アイアンだけではなくややしっかりめな打感の『クロムツアー』シリーズとも相性がいいでしょう。現在アイアンのストロングロフト化(角度が立ってきている傾向)にともなって、PWやAWの代わりになる単品ウェッジを探している人に強くお勧めしたい。アイアンと一緒に考えたときこそ、このウェッジの高性能さを本当に実感できる気がします。なかなか試打の場面で両方を打つことはないですが、機会があればぜひラウンドしながら、アイアンと一緒に試してみてほしいです」
―どのような人向き?
「まずはキャロウェイアイアンを使っている人向き。必ずアイアンと組み合わせて使ってほしいと思います。特に打感の良さを追求した『X FORGED アイアン』とはドンズバな関係性な気がします。また他社のアイアンとも、今作はフルショットでの打ちやすさがあるので、飛距離の乖離(かいり)が起きにくく柔軟に合わせられるでしょう。2本だけではなく3、4本と入れても違和感なくスイッチできるのではないでしょうか」
バンカー5点満点を含む全項目4.5以上の高バランス【総合評価4.6点】
【スピン性能】4.5
【打 感】4.5
【抜け感】4.5
【バンカー対応力】5.0
【構えやすさ】4.5
・ロフト角/バウンス角/グラインド:50度/10度/S、56度/12度/S、56度/14度/W、58度/10度/S
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー115(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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