テーラーメイド P7CB アイアンを西川みさとが試打「どことなくやさしいツアーモデル」
軟鉄を5回鍛造した高密度アイアン HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
テーラーメイド P7CB アイアンをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】
テーラーメイドのツアーモデル「P」シリーズに、新たに追加された「P7CB アイアン」。同社が開発した加工技術「コンパクト グレイン フォージング」を採用し、軟鉄素材を通常の2倍以上の2000tプレス機で5回鍛造することで高密度の鉄を生み出した。そんな研ぎ澄まされた打感を生むアイアンを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「飛距離は満たないまでも… ミスにシビアではなく打ちやすい」
―率直な印象は?
「ハーフキャビティですが、ほぼマッスルバックのようなシャープな形状で、非常にルックスは格好いいと思います。ツアーモデルということで小ぶりなサイズ感と美しいフォルムではありますが、なぜかそこまで難しい印象を受けない。アドレスビューでもボールを拾ってくれるイメージが湧き、実際に打ってもそこまでミスヒットにシビアでもない。たぶん、プロが使用するモデルの中では、かなり打ちやすい性能ではないかと思います。1WのHS30m/s台の私にはちょっと難しいですが…(笑)」
―結果的には満足のいく弾道だったと思うのですが?
「はい。自分でもすごくうまく打てていたと思います。飛距離はまぁまぁではありますが(7Iで平均131yd)…、7番でロフト角33度とそもそも飛距離を重視した設定ではないですし、重量もそこそこあったので(7番アイアン/シャフト「NSプロ モーダス3 ツアー105」で425g、「ダイナミックゴールド MID 115」で434g)、私には限界かなというだけのこと。打ち出し角や飛んでいく姿は良かったので、数字上はそこまで飛んでいませんが、ロフト角通り高く出て、狙い通りの距離に落とす正確性を活かせるアイアンだと思いました」
―見た目の評価は?
「とにかくきれいなシルエットです。特にネックからヒールにかけての流れが、変にくびれていたり、邪魔に見える部分がなく、美しい。トウ先の多少の丸みを入れても、全体的に美しい三角形状に仕上がっている部分は、多くのプレーヤー好みだと思います。小さいけれど、すごくシビアに見せない。程よいやさしさを感じさせるフォルムに仕上がっています。グースが苦手で、ストレートすぎるのもちょっと手強く感じる私にとっては、その中間というか、ネックからオフセットを入れずに程よくスーッと伸びている感じが、見ていて非常に好印象に映りました」
―打感のフィーリングは?
「やわらかいけれど、やわらかすぎず、しっかり手ごたえを残してくれます。軟鉄特有の手に残る感触はちゃんと来るのですが、少しのミスヒットで嫌な硬い感触が残る感じもない。形状も操作しやすいですし、扱いやすさを感じるフィーリングとなっています。ソールを見ると幅は薄めですが、それでもインパクトゾーンで程よく滑ってくれる。ライの良し悪し関係なく、抜けやすさも感じられるので、細部まで打ちやすさにこだわっていることがなんとなく伝わってくる印象でした」
―「P」シリーズや他社ツアーモデルとの位置づけは?
「以前『P790 アイアン』を打ったときに、程よい操作性と寛容性を両立していて飛距離性能も高く、すぐに買い替えを考えるほど絶賛していましたが、今作は『P790』『P770 アイアン』よりはややプロ向けの位置づけかなー…。ただ、ツアーモデルということで身構えてしまうほど難しいわけではないことは確か。他社でいうと、同時期発売のキャロウェイ『APEX』シリーズと比べても、中空構造なのでジャンルは違うかもしれませんが、『APEX Ai200 アイアン』とそれほど大きな差を感じませんでした。少しだけ今作のほうが飛びより操作性に振ってはいますが、プロや上級者限定というほどではないことは間違いありません」
―どのような人向き?
「そうですねー、もちろんプロや上級者に限定するほどではないものの、プロ仕様モデルであることは間違いないので、プロくらいの腕前かスコアを作ることができる人向きではあります。スコアメークを念頭に置く人なら、シングルハンデのアスリート向けモデルといえそうです。ただ、クラブはスコアをまとめるだけの道具ではなく、見た目の格好よさから所有感を満たすためのものでもあります。格好よさを優先し、ある程度の寛容性も求めるゴルファーには、納得してもらえる要素を含んだアイアンではないでしょうか」
性能面の理解は示したものの 飛距離・構えやすさは3点台△…【総合評価3.7点】
【飛距離】3.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:33度(7I)
・使用シャフト:ダイナミックゴールド MID 115(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
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