コブラ「キング SPEEDZONE ドライバー」の評価は！？

2020年春モデルの中で、評価がうなぎのぼりとなっているのが、コブラ「キング SPEEDZONE ドライバー」だ。前作「キング F9」も評判は高かったが、その性能をしっかり引き継ぎ、振り心地と飛距離性能をさらに高めたという。そんな注目モデルをヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか！？

• 1WのHS30m/s台・西川みさとの場合
• 1WのHS50m/s台・万振りマンの場合

「“ガツンと”感が足りなかった…」

―率直な印象は？
「『キング SPEEDZONE ドライバー(以下SPEEDZONE)』はヘッド後方の重量感が少なく、打感が軽いと言いますか、カーボンクラウン(ヘッド上部)の存在感がありすぎて、全体的に軽さが強調されている印象を受けました。しっかり打っている感触が足りなかったように思います」

ソール後方には存在感のあるウエイトが装着されているが…

―“ガツンと”感が足りない？
「そうですね。ガツンと打って前に飛んでくれて、しかもスイングで力んでしまっても曲がり幅を抑えてくれる。そのような飛距離と寛容性を持ちあわせたモデルには、なっていないように感じました。結果的に数値は良かったですし、操作性もあるので球筋は申し分なかったのですが、長くエースドライバーとして使うとなると、少し物足りない印象がありました」

ヘッド全体の50％をカーボン素材にして前作「F9」以上に軽量化

―「キング SPEEDZONE XTREME ドライバー(以下EXTREME)」と比べてどう？
「ミスショットへの寛容性で言えば、『エクストリーム』のほうがカバーする幅が広くなっている感じがしました。構えた時の大きさ、直進性、ちゃんとボールを打ち抜いているフィーリングをもっているので、ミスの多い僕としては『エクストリーム』を選ぶと思います（笑）」

2モデルを打ち比べフィーリングの違いに言及する筒

―巷で評判が良いのはどういう点？
「もともとコブラは、ミスへの寛容性が高いブランドでしたが、今回の『キング SPEEDZONE』シリーズは、そこにプラスしてオートマチックの要素が増している印象を受けます。ヘッド重量が軽く感じつつ、球離れが早い要素と、当たり負けを感じる要素の差をうまく埋めている。自分で強いエネルギーを出さなくてもヘッド性能で弾いて飛ばしていける。そのような点で、過去のイメージを大きく変えたのだと予測できます」

硬さ:S、SR、R 重さ:49.5～54g トルク:6.0～5.5 バランス:RでD1、SRとSがD2

―純正シャフト(スピーダー エボリューション for SZ)の印象は？
「藤倉コンポジット『スピーダー エボリューション』シリーズの良いところが、すごく引き出されています。ヘッドとの組み合わせ、吊るしセットとしての完成度がすごく高いと思います。ドライバーには、距離測定器のアーコス(ARCCOS)センサーも内蔵されていますので、このままカスタムせずゲームのデータを取って楽しみたいモデルであることは間違いないでしょう」

『XTREME』は引っかけても左に大きく曲がる球にはならなかった…

―どのような人向き？
「見た目のクールな印象からして、40代後半の僕から見ると、もう少し若い層向けかなと思います。尖った所有感を求めているユーザーに、ぜひ買ってほしいモデル。ロフト角やライ角は後から調整できますし、表示も分かりやすい。純正シャフトはクセが少ない。そういう点で、見た目から入っても問題ないモデルといえます。ただ、シャフトの剛性感からしてHS40m/sちょうどの人は少し厳しいかな…。ゴルフ初心者でもスポーツ歴があり、HS42m/s以上出せる人からが目安になると思います」

「エクストリーム」ならもう少し高得点？【総合評価3.8点】

【飛距離】4.5
【打 感】3.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】3.5

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：スピーダー エボリューション for SZ／硬さS
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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