モノコック構造×新ミーリングフェース HS40m/s未満の女子プロ評価は！？

B3 MAX ドライバーをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】

ブリヂストン史上最も高慣性モーメント設計で、ブレずに飛ばせる「B3 MAX ドライバー」が今春発売された。カーボンモノコックボディで軽量化を図り、独自のミーリング加工を施したバイティングフェースでビッグドライブを生む。そんな同社が誇る“国産MAX”をヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

• ご意見番クラブフィッター・筒康博の場合
• 大谷翔平似レッスンコーチ・稲場智洋の場合

「BSでは珍しい柔和な顔立ち メンタルに効く滑らないフェース」

最初は打ち出しが右にズレる場面も見られたが…

―率直な印象は？
「これまでの同社のドライバーは少しハードな性能が多く、シャープさが目立つ形状のヘッドが多い印象でしたが、今作はそれとは真逆のイメージを持ちました。全体的に丸みを帯びた顔立ちで、とてもやさしく見受けられます。カーボンヘッドの色味がややグレーがかっていて、投影面積は広く見え、真っ黒なカラーリングよりもやさしさを演出しています。主張しすぎない柔和な感じがとても好印象です」

つかまり具合は強めだがフェースの向きはスクエア

―フィーリングや打感もやわらかい？
「ボールの当たった感触や打音は、しっかり手や耳に届けてくれます。どちらかといえば少し硬めの打感で、程よく弾いてくれる印象。見た目は主張を抑えたヘッドですが、実際に打った感触では、適度な打ちごたえを生むヒット感が心地よく得られます」

左「B3 MAX」右「B3 MAX D」。ほぼ同じソールデザイン

―兄弟モデル「B3 MAX D ドライバー」と比べると？
「何かが違うとはっきり言えないほど、構えたときの顔の印象はほぼ一緒でした。パッと見ただけでは判別が付かないほど似ています。ただ、実際に打ち比べてみると『―D』のほうが、名称通りちょっとだけつかまり具合が強め。高さは同じくらい上がりやすいのですが、左に曲がる幅が若干大きい。持ち球がドローで、右より左のミスが怖い私には『MAX』で十分という気はします。が、つかまりの強さで若干ランが出て、飛距離を稼ぐことができる『―D』の性能も魅力的。対象ターゲットが大きく異なることはなく、好みの弾道で選ぶことができる2モデルとなっています」

密度を上げて食いつきを向上させた「スリップレス バイト ミーリング」

―新フェースの効果は？
「正直、加工の進化まで試打で気付くことはできませんが、フェース面の滑りにくさは、プレー中にすごくメリットは大きいと思います。特に今の時季、雨の中でゴルフすることが多いので、滑らない性能はもちろんのこと、滑りにくそうなフェース面の存在により、メンタル的に大きくプラスに働く気がします。現在多くの最新モデルが(反発性能が高く)弾きが強い分、ボールが滑ってしまう感覚がそのままミスに表れることが多いですが、今作はプレーヤーに安心感を抱かせる意味で、とても大きな働きを生んでいると思います」

重さ:50g、トルク:6.7、長さ:45.5インチ、調子:中（※硬さSの場合）

―純正シャフト(VANQUISH BS40 for MAX)の評価は？
「試打した硬さRでは、ちょっとしなり量が大きい気はしましたが、動き方がヘッド挙動と合っていて振りやすかったです。スイング中も全く邪魔をせず、素直な動きをしていたので、ヘッドとの相性を考えた特性に感じられました。打ち出し角はしっかり出ていて（平均:16.8度）、ヘッドは非常にやさしい性能なので、シャフトは普段より硬めの設定でも良いかもしれません。ワッグルした感じもそこまで硬く感じなかったので、私でも硬さSが合う気がしました」

「類似モデルはキャロウェイ『―MAX FAST』シリーズかな」(西川)

―どのような人向き？
「私くらいのHS（平均35.7m/s）が一番ドンピシャなターゲットなのかもしれません。重さを後から調整するソールウエートもなく、性能自体がスピードを重視した軽量ヘッドのため、HSが速すぎるとスピン過多でボールが吹け上がってしまう危険性が高い。メインターゲットは35～40m/s。年齢はシニア層。特に年配の女性でも扱えそうな軽快さなので、軽量モデルを買おうか悩んでいた方からすると、強力な新たな候補が現れたといったところでしょうか」

西川のHSがドンピシャ！ 飛距離以外全て4.5点【総合評価4.4点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角：10.5度
・使用シャフト：VANQUISH BS40 for MAX（硬さR）
・使用ボール：リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

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