スリクソン ZXi ドライバーを筒康博が試打「球持ちが長くボールを押し出せる」
操作性と寛容性を両立したオールラウンダー ご意見番クラブフィッターの評価は!?
スリクソン ZXi ドライバーをご意見番クラブフィッターが試打したら…【筒康博】
スリクソンの新シリーズ「ZXi」から生まれたドライバー4機種。今回はその中から、操作性と寛容性を両立したスタンダードモデル「スリクソン ZXi ドライバー」をピックアップする。適度な慣性モーメントとスピン量でオールラウンドな性能を備えた一本を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博が試打評価を行った。
「飛ぶだけではなく押し出せる強さ 安定して狙える実戦向き1W」
―率直な印象は?
「試打前は、フェースの反発力が強く初速性能が高いドライバーと思っていたのですが、実際はインパクトでボールを押し出せるフィーリングを感じました。球持ちが長く、ターゲットにボールを打ち出しやすい。当たった瞬間に『あっ飛んでいる!』というよりも『いい感じで打てた!』といった実感が湧く。それでいて飛距離も出ている(平均244.8yd)。飛ぶからいいというわけではなく、ヘッド挙動がブレずに、狙った通りに安定してボールを押し出せる。非常に実戦向きのドライバーだと感じました」
―弾道はやや低かった…?
「そうですね。構えたときに結構シャローに見え、フェース上側に当たりそうな懸念を抱いたまま高いティアップで打ってしまったためだと思います…。ですが、実際ゴルフ場で同じ状況で打っても、それほどの大ミスにはならない。上下ミスヒットの強さも実感することができました。また、ドローとフェードを打ち分けてもみましたが、『MAX』同様に寛容性の高さを感じる。慣性モーメントが高いからといっても、フェースローテーション中にヘッドが邪魔したり、思ったように動かないことはなく、寛容性と操作性のバランスが高次元で取れているヘッドだと感じました」
―兄弟モデル「ZXi MAX ドライバー」と比べると?
「今作がちょっとハードに感じる方には『MAX』が向いていると思います。といっても、『MAX』だけ超大振りで歪(いびつ)な形状になっているわけでもなく、ロフト設定の違いだけで選べる親和性を感じます。例えば『MAX』で9.5度なら今作は10.5度みたいな感じ。もうひとつはソールウエートの違いで、ウエートを動かしたくない人は最後部1カ所にしかない『MAX』、色々動かして弾道を操りたい人にはトウとヒール側に2カ所存在する今作が向いていると思います」
―ロースピンモデル「ZXi LS ドライバー」と比べると?
「『LS』といっても、最近はそこまでロースピン性能に特化していないモデルもあれば、すごく極端に特化したモデルもあって、ひと言で言い表せないのが現状です。スリクソンの場合、『7』シリーズの流れを汲(く)んだモデルが必要だったので、このLSがその役回りかなと察します。ただ、今回試打した3機種はそれほど大きな違いがあるわけではなく、どんなプレーヤーが試しても、この中から自身のベストモデルが選べる。HS40~45m/sのゴルファーには『MAX』のやさしさも、スタンダードのバランスの良さも、『LS』の強弾道の出しやすさも実感できる。すごく選びやすいラインアップになっていると思いました」
―あえて気になるデメリットは?
「現在の最新テクノロジーが気になる人にとっては、カーボンクラウンや複合素材といった部分がないフルチタン構造という点をマイナスに捉えるかもしれません。投影面積が大きく、シャローに見えるヘッドが好きではない方もアンチ派に含まれるでしょうか。ただ、それも全て含めて見た目の好き嫌いの話なので、サイズが好まない人にとっては今作ではなく『LS』、もしくは他社のディープフェースモデルを選べばいいと思います。バランスの良さでいえば悪いと評する人はいないと思えるほど、ニュートラルで万能な仕上がりといえます」
―どのような人向き?
「日本のエース・松山英樹プロが五輪でもPGAツアーでもメジャー大会でも大活躍しているのを見ると、日本人なら同じシリーズを使わない手はないと感じさせるモデルです。それほど日本人仕様、日本のゴルファーにマッチする要素を多分に含んでいると思います。モデルごとの性能はもはや対象HSで区切っていないため、まずはスタンダードから試し、そこから『MAX』か『LS』か、ロフト角や装着シャフトも考慮して選ぶと良いでしょう」
高水準なバランスの良さ◎ 納得のハイスコア【総合評価4.7点】
【飛距離】5.0
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:Diamana ZXi50(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。「インドアゴルフレンジ Kz 亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。
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