ありがとうヤマハ!そのものづくりの歴史に最敬礼 中古で高騰必至なアイアンはどれ?

そのものづくりの歴史に最敬礼 中古市場で高騰しそうなヤマハアイアンはどれだ?
藤田寛之が一昨年使用していたRMX VD/M

ゴルフ事業から撤退するヤマハのドライバーの名機を紹介した前回に続き、今回はアイアンを振り返る。それぞれの時代で先進的かつ独創的なモデルが勢ぞろい。中古ショップで手に入れるなら今しかない。

ヤマハアイアンのツアーモデルの歴史

ヤマハにはかつて「SX25」というマッスルバックアイアンがあった。1983年のPGAツアー賞金王、ハル・サットンが契約プロとして使用。1987年にはスコット・シンプソンがこのクラブで「全米オープン」を制した。筆者がちょうどゴルフを始めたころの話で、カッコよさに惚れ、試打してみたが、しっかりトップした記憶が鮮明だ。

50歳でプロ入りし、国内シニアツアーでプレーする田村尚之は「インプレスX Vフォージド ツアーモデル」(2012年)を10年以上使用していた。藤田寛之が賞金王に輝いた2014年に握っていたモデル。ヤマハの軟鉄鍛造ツアーモデルの評価は非常に高い。顔が美しく、打感はしっかり目。それでいて扱いやすくもある。

そのものづくりの歴史に最敬礼 中古市場で高騰しそうなヤマハアイアンはどれだ?
藤田寛之が使用するDD-1とDD-1ツアーモデル

RMX VD/R」(2024年)は鍛造モデルにして寛容性が高く、非常に扱いやすい。中古市場なら6本セットで5万円前後。最新モデルの「RMX DD-1 ツアーモデル」(2025年)も6本セットで8万円前後から見つかる。

「飛び系アイアン」ブームはヤマハの手で

飛び系アイアンというフレーズを定着させたメーカーのひとつがヤマハだ。プロギアの「egg」などの登場後、ヤマハは「インプレスX クラシック」(2012年)を経て「インプレスRMX UD+2」(2014年)、「インプレス UD+2」(2016年)を大ヒットさせた。

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写真は2019年モデルの「インプレスUD+2アイアン」軟鉄鍛造ボディなのでライ角&ロフト角も調整可能

筆者は以前、「インプレスRMX UD+2」をシニアゴルファーにすすめたところ「ライバルたちを飛距離で圧倒し優越感を味わった」という電話を頂戴した。しかし、その翌週には仲間がみな同じアイアンを買いそろえてきたという…。「+2」は「通常のアイアンよりも“2番手”近く飛ぶ」という意味で、飛距離だけでなく弾道も高く上がる。

その後も「インプレス UD+2」はモデルチェンジを重ねた。しかし他社もこぞって、同様のタイプを世に送り出し、「インプレス ドライブスター」(2023年)の頃には、ヤマハの飛び系アイアンに優位性は少なくなった。それでも、分野を築いた功績は大きい。

やさしいアイアンへの挑戦も継続

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RMX VD/X 筆者は「アイアン版 みにくいアヒルの子」と呼んでいた

同社は軟鉄鍛造のツアーアイアン、飛び系アイアンだけでなく、やさしいアイアンづくりへの挑戦も続けていた。代表作が「RMX VD40」(2022年)だ。慣性モーメントの高さにこだわり、4000g・cm2の壁を超えた記念すべきアイアン。打感、抜けはいまひとつだが、アイアンが苦手という人にオススメしたいモデルだった。今なら6本セット3万円台で見つかるだろう。

慣性モーメントを少しだけ落とし、打感や抜け、顔を改良した「RMX VD/X」(2024年)はロフトを少し立て、飛びの要素も加えた名機だと言える。アイアン嫌いという人でもぜひ試して欲しい。中古なら6本セットで5万円台。後にも先にもこんなアイアンは登場しないとすら思うので、資料として1セット所有したい気もする。

筆者がオススメのヤマハアイアン

最後に筆者のイチオシを並べよう。なかなか見つからないのが、先述の「インプレスX Vフォージド ツアーモデル」(2012年)だろう。「インプレスX Vフォージド」(2012年)に比べ、ツアーモデルは状態の良いモノが少ない。左へのミスが消せそうな顔が好みで、打感も良い。6本セットで2万円台が相場だが、やはり状態による。

RMX VD/M」(2024年)も推したい。軟鉄鍛造ボディで、フェースにバネ鋼を用いているが打感はかなり良い。ニュートラルで扱いやすく、何度もポチりそうになった。6本セットが5万円台で見つかる。顔、打感ともに好みは「RMX VD/R」(2024年)なのだが、当たりそこないのミスが出た時の寛容性はMにはかなわない。

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RMX VD/Rアイアンは筆者好み

最新作「RMX DD-2」(2025年)は、7番でロフト28度と飛び系に分類されるが、ボールも上がり、つかまりも良い。ソール形状もよく考えられている。筆者が「やさしいアイアンのオススメは?」と聞かれた時に推薦してきたモデルで、6本セット8万円台が相場だ。

ヤマハのアイアンは、それぞれのテーマに実直で、ときには伝統を投げ捨て、新しいジャンルを切り開いてきた。今後もどんなアイアンを作ってくれるのか楽しみだっただけに、撤退が残念でならない。「ずっと好きだったんだぜ」の想いはアイアンも同じ。ヤマハ、ありがとう。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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