末尾「0」or「5」自分に合うモーダスはどれだ ギアマニアは答えをドーダス?
アイアンのシャフト選びにおいて、今や避けては通れないのが日本シャフトの「NSプロMODUS(モーダス)」である。かつて中古ショップでトゥルーテンパー「ダイナミックゴールド(DG)」のラベルを探しまくったアスリートゴルファーが、この赤いロゴを探し回る。しかし、中古ショップにあるモーダス装着モデルには、スペック表の数字だけでは読み解けない深いワナが潜む。今回は中古目線でこの“赤い刺客”の正体を暴きたい。
王者DGへの挑戦 モーダス誕生の歴史
スチールシャフトの代表格、ダイナミックゴールド(DG)は元々「ダイナミック」というシャフトの精度の高いモデルとして生まれた。そのライバルとして「プレシジョンFM」、「プレシジョンライフル」など登場したが、DGの牙城を崩すところまでは行かなかった。
そこで1999年に登場したのが日本シャフトの「NSプロ950GH」。それまでになかった軽量スチール市場を作り上げ、スチールシャフトの人気を二分した。重量級のツアーモデルではDGに対抗すべく、2010年に満を持して「NSプロ モーダス3 ツアー120」が登場。開発陣が目指したのは、単なるDGの模倣ではない。飛躍的に進化した低スピン・高反発なボールやヘッドに対し、「低剛性・高重量」という全く新しいアプローチで挑んだのだ。
重いのにしなる。粘るのに叩ける。この「120」という記念碑的モデルの成功が、後の「130」、「125」、「105」、「115」、最新の「110」へと続く「モーダス王朝」の礎となった。
105は「軽硬」、120は「重軟」というパラドックス
中古市場で遭遇率の高いのは「モーダス105」と「モーダス120」だ。120は登場以来大手メーカーで純正シャフトに採用されることが多い。さらに軽量化を求めるゴルファーのために作られたのが105で、「NSプロ 950GH」と重量差が少なく現在の定番となっている。
しかし、ここで覚えておくべきポイントがある。「105」は、その名の通り100g強の軽量モデルだが、性格は「120」に比べて挙動がシャープで硬い。いわゆる「軽硬(かるかた)」の代表格である。対して「120」は110g台半ばの重量がありながら、手元から中間が非常にしなやかにしなる「重軟(おもやわ)」な設計だ。
振動数の実測値は「105のS」よりも「120のX」の方が手元の剛性が低く(軟らかく)出る(手元剛性が低いと、振動数は低くなるという特性の影響もある)。だからこそ「120」から「105」への移行には戸惑う可能性がある。同じモーダスだからといって、単純に重さが違うだけと思わないでほしい。
マニアは知っている!モーダスは名前を真に受けない?
「115」は「120」よりも数字が小さいから軽い、と思う人は多いだろう。しかしモーダスの場合は逆である。120 (S)はカット前の重量が114.0g。115 (S)はカット前重量が118.5gと逆転している。115の方が4.5gも重い。120は初期の設計ゆえに「低剛性・高重量」という特殊な立ち位置だが、115は「105のフィーリングのまま重量を上げた」最新設計だ。中古で「120が重いから少し軽くしよう」と115に手を出すと、重量も剛性も上がってしまう。ちなみに130(S)は126g、125(S)は128.5gとこちらも逆転する。
また、末尾が「0」か「5」かで特性が違う。「0」系は日本シャフトの挑戦のDNA。「しなり」と「操作性」を重視したモデル。110や120はスイングの「間」を作るタイプ。なお、130は別格の「手元しっかりの弾き系」を実現した。ウワサではセルヒオ・ガルシア(スペイン)が日本シャフトにオーダーして作り上げたシャフトだ。
末尾「5」系(105、115、125)は全体的に剛性が高く、直進性と強弾道を求める「弾き・安定感」を重視している。DGからの移行なら、伝統的な粘りの120よりも、最新の115や125の方が、違和感が少ない場合が多い。
中古ショップでの「モーダス選び」
先述した通り、純正シャフトとして広く採用されているモーダスは「105」、「120」が圧倒的に多い。フレックスはSしか選択できない場合がほとんどだ。105のRが選べれば、スイングテンポが速くなる傾向があるゴルファーにもハマるケースが多いように思うのだが。少し緩い120のXがちょうどいい人も多そうだ。
スチールシャフトを試打する機会は非常に限られている。アイアンのリシャフトは本数が多い分、シャフト代、工賃やグリップ代も膨らんでしまう。だからこそ、これぞと思ったモデルに出会ったときはチャンスを活かしてほしい。
なお、モーダスは使い倒すと赤いロゴが消えてしまうこともある。そうなると、フレックスの表示が不明となり査定が下がる。そうなったモデルは安く購入できる。ゴルファーのアイアン選びはヘッドに執着する傾向があるが、成功の秘密はシャフト選びにある。筆者はウェッジを買うと、120のSを必ず装着するようにしている。
メジャーで勝てるシャフトを目指して作られたモーダスはその目標を達成したが、スチールシャフトの頂点を目指して、さまざまなゴルファーのパフォーマンス向上を目指し新しい製品を開発している。あなたにもピッタリのモーダスが見つかることを祈りたい。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。