レーザー派?ウォッチ派? 群雄割拠の距離計測器中古市場 ギアマニアが“ピコピコ”を選ぶ理由とは

レーザー派?ウォッチ派?距離計測器中古市場はまさに群雄割拠 それでもギアマニアが“レーザー”を選ぶ理由とは
ピコピコっと手軽に測れるレーザーはやはり魅力的

腕時計型GPS距離計測器の最高峰ブランドであるガーミンが10月、フラッグシップモデル「アプローチ S72」を発表した。息をのむほど鮮やかな有機ELディスプレイや、手首でのスイング分析機能、高精度なコースマップ表示など最新テクノロジーを凝縮した仕上がりとともに、12万8000円(税込)という価格も話題になっている。今回は距離計測器の中古市場を探る。

高級スマートウォッチか、中古で距離計測器か

「アプローチ S72」は最新の高級スマートウォッチとしての機能が満載で、そもそもゴルフ用の距離計測器にとどまるものではない。実を言うと、筆者も普段の生活から腕時計型GPSの愛用者だ。日常の健康状態の確認だけでなく、コースで腕を見るだけでピンやハザードまでの残り距離を瞬時に把握できる手軽さとスマートさは、一度体験すると病みつきになる。

しかしながら、「ゴルフ場で残り距離だけが分かればいい」というユーザーにとっては12万円超という価格はさすがに高い。用途が距離の計測に限定されている場合は、レーザー距離計測器を探すのがベターだろう。

レーザー派?ウォッチ派?距離計測器中古市場はまさに群雄割拠 それでもギアマニアが“レーザー”を選ぶ理由とは
Garmin ApproachS72の鮮やかさとスイング分析機能にガジェット好きの筆者に刺さりまくり

レーザー距離計測器はかつて、ニコンやブッシュネルといったハイエンドモデルしか選択肢がなかった。プロゴルファーを支えるツアーキャディ御用達の品ばかりで、価格は5万~8万円台が当たり前。一般ゴルファーにとっては敷居が高かった。

ところが近年、この勢力図は一変した。小型化、軽量化、そして高性能化が進み、デザインも洗練された新興勢力のブランドが台頭。平均価格を一気に引き下げた。重要なことなのでここで宣言しておく。ここ5年以内に販売されたレーザー距離計測器で「安いから数字が不正確」という製品を筆者は知らない。機種によって誤差は出ても、プラスマイナス1yd程度と言えるだろう。

“ツアー御用達”モデルの圧倒的安定感

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何だかんだ言っても計測器は二刀流が正解

中古市場で依然として別格の人気を誇るのが、ブッシュネルの「ピンシーカー」や、ニコンの「COOLSHOT PRO」シリーズである。ツアーで選手やキャディの信頼を集める理由は、実戦で培われた、すばやい「ピンのとらえやすさ」にある。適度な重さと手のひらに吸い付くエルゴノミクス形状は、強風下や指先がかじかむ状況でもピタリとターゲットを捕捉してくれる。少々、手荒く扱っても壊れにくい。特にブッシュネルは軍用基準で作られているモデルが多く安心感がある。

新品では手が出にくい憧れのフラッグシップモデルも、型落ちの中古品であれば状態の良いものが2万~4万円前後で見つかる。光学機器として耐久性が高い分、リセールバリューも落ちにくいメリットがある。

低価格でコンパクト 新興勢力の魅力と注意ポイント

レーザー派?ウォッチ派?距離計測器中古市場はまさに群雄割拠 それでもギアマニアが“レーザー”を選ぶ理由とは
キャディトーク minionはデザインが魅力。中古なら1万円前半とコスパが高い

「キャディトーク」、「ショットキャディ」、「ボイスナビ」をはじめとする新興勢力は、赤・緑の2色OLED表示や高速計測を搭載しながら、新品でも2万~3万円前後、中古なら1万円台前半から手に入るコストパフォーマンスの良さを実現した。デザインもミニマルで持ち運びやすい。

ただし、極小・超軽量モデルは、ポケットへの収まりが良い反面、構えたときの安定感に欠ける。軽すぎるボディは、ボタンを押し込む指先のわずかな力だけで照準が大きくブレてしまい、遠くのピンフラッグを一度でとらえられないとストレスにつながる。サイズ感は「小さければ小さいほど良い」わけではない。筆者のように高齢になってくると、自分の手元がひどくブレしてしまうので昔の重い計測器が恋しくなる。

また、最新機種には3点間計測や、気温・気圧を加味した高度な補正機能といった魅力的な機能が並ぶ。しかし、プレー中はモードを切り替える操作を頻繁に行う余裕がないのも現実だ。不要な機能に高いコストを払うより、直感的に1プッシュで測れるシンプルさを重視したほうがプレーファストにも直結する。

レーザー派?ウォッチ派?距離計測器中古市場はまさに群雄割拠 それでもギアマニアが“レーザー”を選ぶ理由とは
天体望遠鏡大手のVixenは独自の光学系で差別化を図る

近年、距離計測器市場に多くの会社が参入している裏側には、「デザインはメーカー各社が行い、計測機能の開発・製造はOEM(受託製造)」というケースが多い事情がある。もちろん自社で光学系まで製造する会社もあるが、OEMにすることで大量生産が可能で、限界までコストダウンできるのだ。

最新スマートウォッチがもたらす生活とゴルフの一体化は実に魅力的である。しかし、一打のジャッジに必要な残り距離を、正確かつストレスなく知りたいという原点に立ち返るなら、価格がこなれた中古レーザー計測器の優秀さは見逃せない。ブランドの安心感を取るか、新興勢力の実利を取るか。スペックの数字に惑わされず、コース上で本当に頼れる相棒を選び出してほしい。(文・田島基晴)

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田島基晴 プロフィール

1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。

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