憎いぜキャロウェイ!低スピン革命を起こした「サブゼロ」&「◆◆◆」中古発掘/ギアマニアのココロ揺さぶるシリーズ
キャロウェイの2026年モデルと見られる新シリーズがメディアでスクープされている。同社のドライバーは2010年代後半から「低スピン革命」の中心にあり、PGAツアーでの使用実績も高い。とくに「サブゼロ」、そこから派生した「トリプルダイヤモンド」(◆◆◆)はギアマニアのココロを揺さぶるキーワード。中古ショップでも探せるのだ。
低スピン革命 「サブゼロ」から「◆◆◆」へ
2017年に発売された「GBBエピック サブゼロ ドライバー」は、JAILBREAK(ジェイルブレイク=フェース後方に2本のバーを配置)初搭載モデルとして話題を集めたが、真に評価されたのは浅重心・低スピンという明確なアスリート性能だった。ヘッド重量がやや重く、初速性能は今もトップレベルと言える。
2018年の「ローグ サブゼロは、JAILBREAKの軽量化により慣性モーメントが向上。浅重心化され、操作性を追求した。現在も男子プロの市原弘大が使用している姿が確認されており、完成度の高さを物語る。どちらも1万円以下で、ぶっ飛びドライバーを探す人にオススメしたい。
2019年の「エピックフラッシュ サブゼロ」は、AI設計のフラッシュフェースが加わり“激飛び”の評価を確立した。国内女子ツアーで使用率が高く、ウエートを外してジェルで調整するプロ仕様セッティングが話題となった。見た目ほどシビアではなく、ニュートラルで完成度が高い。カスタムシャフト装着品が多いのも特徴だ。
2020年の「マーベリック サブゼロ」は、稲見萌寧が愛用し圧倒的な強さを見せたことで、シリーズ全体の評価が高まり、一時は中古価格も高騰した。現在は相場が落ち着き狙い目。どちらも2万円以下で見つかるだろう。
一度愛した◆◆◆からは離れられない
ツアーモデルは2021年の「エピックスピード」からトリプルダイヤモンド(◆◆◆)として定着した。サブゼロの浅重心設計をベースに、◆◆◆、◆◆◆DS、◆◆◆LSと明確な性格分けを行い、ツアープロの細かい要望に応えた。スタンダードモデルのリリースから少し遅れて発売される限定モデルは、ギアマニアのハートをくすぐる。この年式のモデルは2万円前後とかなりコスパがよく狙い目だ。「ローグST◆◆◆」、「ローグST◆◆◆LS」は扱いやすく、中古ショップでも見つけやすい。2万円台後半から探そう。
プロ、アマチュアを問わず「コレは替えられない」という声が多いのが、「パラダイム◆◆◆」(2023年)。ヘッドは体積450ccとコンパクト。重心距離が短めで、重心深度も深くない。慣性モーメントも大きくないが、芯を感じやすい。ツアープロが求める要素を詰め込んだ。すでに3万円を切る価格で見つかるだろう。
「パラダイム Aiスモーク ◆◆◆」(2024年)も人気モデル。Aiスマートフェースが進化し、打点ブレへの強さが増した。重心特性の違いから、少し扱いやすくなった。使用プロもいまだに多く、中古価格は3万円台後半から。
リリースサイクルが定番化した中、「ELYTE ◆◆◆」(2025年)はヘッドが前作より10ccほど小さく、低重心化を図ったが、扱いやすさ、寛容性は増したように感じる。4万円台後半で手に入れられるようになった。
プロツアーへの“憧れ”を商品化したキャロウェイ
限定モデルはフリマサイト、オークションサイトで高価で取引されている。ツアープロをターゲットにしたクラブは、やはり“尖ったモデル”が多いことをお忘れなく。筆者としては、スタンダードモデルと◆◆◆の中間の特性を持つ「Ai スモーク ◆◆◆ MAX」(2024年)と「ELYTE ◆◆◆ MAX」(2025年)は、「“ふつう”に売ってよぉ」と手に入れやすくなることを願っている。
ツアーモデルへの憧れを◆◆◆というアイコン商品にしたキャロウェイ。もちろん通常モデルに比べれば、寛容性は劣り、芯も決して広くない。だが、芯に当てやすい重心特性と慣性モーメントを実現している。「どうせ限定でまた別のモデルが出るんだろうな…」と思いつつ、◆◆◆を買ってしまう筆者みたいなマニアはきっと他にもいるはず。憎いぜ、キャロウェイ。(文・田島基晴)
田島基晴 プロフィール
1963年生まれ。ゴルフギア好きが高じて、地元広島に中古ショップ「レプトン」のゴルフ部門を設立。現在は店舗で得たギア知識を活かし、ゴルフライターとして活躍。YouTube動画の企画編集やブログ執筆など活動は多岐にわたる。