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ゴルフスイングの大きな目標は、再現性を高めることにあります。ミスが出た時に、どのように立て直すのか。思い通りの弾道へ、どのように近づけていくか。そのための多くの方法を知ることによって、この大きな目標に近づくことができ、スコアアップに直結することはもちろん、ラウンド中の試行錯誤が楽しくなってきます。
この連載を重ねるたび、スイングの基礎と言いながら、少し高度な印象を与えてはいないかといった不安もあります。しかし、弾道をコントロールするための様々な方法を知ることは、基本の基本であり、ゴルフというスポーツを存分に楽しむための本質といっても過言ではないのです。
これまでお伝えしてきたグリップやアドレス、スタンス、スイング軸、トップの形、ダウンスイングの感覚などを振り返ると、すべては弾道をいかにコントロールするかがテーマだったといえます。そして、今回お話しするのは、フィニッシュでの重心についてです。弾道をコントロールするための最後の一工夫といえます。
本題に入る前に、「ボールの位置で弾道は変えられる ~第4回~」でお伝えした、アドレスの姿勢と弾道の関係をおさらいしておきましょう。前のめりになるようにつま先へ体重がかかるアドレスだと、スイングがアップライトになりスライスしやすくなります。逆に、かかと体重で前傾が浅いと、スイングがフラットになって、フックしやすくなります。
これは、アドレス当初の重心位置のみならず、インパクトからフィニッシュに向かって、このような重心の変化があると、同じような傾向になるので要注意。フィニッシュ時の左足への重心の位置でも弾道が変わってくるのです。でもこれを知っておくことで、積極的なボールコントロールも可能です。
アドレス時には、母指球と土踏まずの間くらいに体重がかかるストレートの重心位置でも、動的なスイングの過程でつま先体重になってくれば、スイングがアップライトになり、スライス傾向になっていきます。つまり、最終的に左足つま先体重のフィニッシュに向かうと、スライスになりやすいのです。
同様に、ストレートボールを生むアドレスを整えていても、フィニッシュに向かって、左足かかとに体重が乗る形になれば、スイングがフラットになっていき、フックしやすくなります。このような傾向を知っておくと、曲がりを緩和させたり、コースレイアウトによっては、曲がりを強めたりといった自在なボールコントロールが可能となります。
ストレート弾道を打ちやすくするには、アドレスからフィニッシュまで、つま先体重やかかと体重にならずに、母指球と土踏まずの間をキープしていれば、ストレート弾道を再現しやすいといえます。
ただし、勘違いしてほしくないのは、これがベストというわけではないのです。体のコンディションやゴルフの調子は移ろいやすく、ボールがつかまる日もあれば、つかまらない日もあるといった具合に、ボールが左右に散る日があります。その中で、自分の理想とする弾道へと迅速に近づけるための調整法を、いかに的確に駆使できるかが重要なのです。
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