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このコースで真の80台!

安心してください。過去の教訓、生きてますから! 美浦ゴルフ倶楽部(後編)

グリーン面の下りに対してだって、低い打ち出しでも寄せられる

(前回までのあらすじ)
スコア90台で伸び悩むゴルファーを代表して、同じ悩みを抱えるGDO編集部員・N村(40代・独身)が美浦ゴルフ倶楽部でスコア80台を目指している。プロのトーナメントが開催されるほどの難コースにあえて挑む理由には、80台のスコアに箔をつけることで上級者からも認めてもらいたいという思いがあった。だが、N村のスコアは102。目標には遠く及ばないため、今度は学生時代からの知り合い、癸生川(けぶかわ)喜弘プロとタッグを組んで再挑戦することに。

アプローチで自慢(!?)のオーバースイングを披露したN村は、プロから強烈にダメ出しされる、前途多難のスタート。手始めとして、課題のショートゲームを中心に指導を受ける。具体的には、球を上げることなく、低い打ち出しを徹底。グリーンカラーから奥5メートルまでの幅にワンバウンド目をキャリーさせ、転がしながら寄せるショットの習得である。N村はなんとか手の内に入れようと四苦八苦しながら、屈指の難易度を誇る4番ホールに到着した。

先ほどのラウンドで3パットの連鎖が始まった不吉なホール。それでもその嫌なイメージを振り払うかのように、N村のティショットはフェアウェイを捕らえ、5番ウッドでのセカンドショットも勢いよく花道を駆け上がる。やった! いや、まさか……。再び不吉な予感に襲われる。いったい、グリーンに何があるというのか。

「やっぱり。グリーン奥のアップヒルのところまで駆け上がって止まっている……」

400ヤードを越える長いパー4は、N村が最も苦手とするホールだったではないか。グリーンをこぼれたくらいで……。いや、このグリーンは、とにかく手前から攻めるのが鉄則。左奥から手前に向かって急傾斜がついていて、ピンに寄せるどころか、グリーンに乗せることすら至難という、最高難度のアプローチとなるからだ。

フェースを思い切り開いて、カラーぎりぎりのエリアを狙うN村。だが実際は、イメージとはかけ離れた大ダフリ。弱々しいボールが右奥に切られるピンからどんどん遠ざかるが、グリーンにとどまったのが唯一の救いか。

(癸生川プロ)なぜ、フェースを開くような高等技術を……。低い弾道で寄せる方法を教えたばかりじゃないですか。
(N村)だって、グリーン面はものすごい下り傾斜で、しかも左足下がりのライ。打ち出しを低くなんて、無理ですよ。
(癸生川プロ)きちんとインパクトすればスピンがかかるので、勢いよく飛び出したりはしませんよ。まあ、百聞は一見にしかず、です。SWで打ってみます。左足下がりのライでは、傾斜に沿ってクラブを動かすことを心がけてください。

その言葉通りのクラブ軌道で打ち出されたボールは、グリーンカラーすぐ奥に着弾。トロトロと傾斜を下り、ピンそば50センチにピタリ。N村、グウの根も出ず……。この繊細なアプローチショットは、左上の動画に収められているので、ぜひ、チェックしてみよう。

N村は残されたパットを2パットで通過。急激な上り傾斜でも、しっかりと距離を合わせられた。1番ホールも含む、序盤の難関ホールをともにボギーで乗り切れたのなら上出来だろう。

ロングホールなのに、難易度1位なのはなぜ!?

そのあとも、2パット以内を維持していくN村。癸生川プロから指導を受けた、自分のストロークに対する距離感をつかめたのだろうか。グリーン上で自信を深めながら、美浦ゴルフ倶楽部の最大の難所、13番ホールへ。

先ほどのラウンドでトリプルボギーを叩いたN村は、その難しさを実感。コースを縦横に埋め尽くす多くのバンカーが、各ショットの狙いどころを狭めている。そして極め付けが、グリーン回り。このシチュエーションについては後述する。

GDOスコア管理アプリで抽出したホール・バイ・ホールの難易度ランキング(※)において堂々の1位。連載を通じてパー5が最難関ホールに選ばれるのは初めてのことである。

そして、プラス1ヤードとはいえ、N村が苦手とする400ヤード越えのミドルホール、17番がそれに続く。

(※)GDOスコア管理アプリは、累計60万人以上のゴルファーに愛用され、プレー中でも片手で簡単にスコア登録が操作できる。その膨大なデータの中から、2014年9月1日~2015年8月31日の1年間で、美浦ゴルフ倶楽部を回った平均スコア89以下の登録者のスコアをもとに集計

13番ホールのティグラウンドに立つと、強烈なアゲンストの風がN村の顔に叩きつける。「このホールはいつでもアゲンストなんですよ」と癸生川プロ。そして、こう続ける。

「このホールはショットごとに狙いどころをきちんと決めて打たないと大きなミスに広がってしまう。そこが難易度ナンバーワンの理由だと思います。ここからはアプローチやパターだけではなく、ティショットからマネジメントを教えていきます」

ティショットで避けなければならないのは、手前に見えるバンカーに入れることだ。とはいえ、255ヤードが必要なうえに、風向きも考えればN村の飛距離では気にならないところ。相変わらずのオーバースイングで臨んだティショットの行方は……。
(→13番ホールの攻略は、次ページに続く)

過去の教訓+癸生川流アプローチでパーを奪取(その1)

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