第8回 方向の安定性を高める
大型ヘッドは一度開くとスクエアに戻すのが大変
堀尾プロ「シャフトローテーションは、ボールの打ち出し方向に大きく関係してきます。ゴルフクラブのヘッドは、構造上シャフトの延長線上に重心がありません。そのため、スイング中、フェースは自然に開きやすく、フェースを開きながらテークバックしていくと、ダウンスイングでフェースをスクエアに戻すのは困難になります。最近の大型ヘッドは重心の位置がシャフトから遠いモデルが多いので、一度大きく回転させてしまうとスクエアに戻しにくい傾向が強いです。実際にアベレージゴルファーのシャフトローテーションの数値を見てみると、必要以上に大きく回転させてしまい、スクエアに戻しきれていない方がほとんどなのです。
正木さんのシャフトローテーション
■ トップでのフェースの角度に注目!
トップで90度近くまでシャフトを回転させている。
ダウンスイングでスクエアに戻しきれずに、50度フェースオープンの状態でインパクトしている。
※トップ:89.6度
■堀尾プロの解説
堀尾プロ「シャフトの回転角は、数値が少なければヘッドコントロールがしやすく、スクエアに戻しやすくなります。では数値が0度に近い方がいいかと言われると、一概にはそうとも言いきれません。というのもフェースを大きく開いても、インパクトでスクエアに戻すことができれば、その分ヘッドの運動量が増えるので、結果的に飛距離につながる要素になります。実際にツアープロの中ではかなり大きい回転角で飛ばし屋の方もいるのです。正木さんの場合は、大きくフェースを開いてから戻しきれず、インパクトでフェースが開いてしまっています。悩みであるスライスを抑えるためにも回転角を抑える必要がありますね。」
トップで50度以内を目標にしよう
堀尾プロ「今までシャフトの回転角を意識して練習していたアマチュアゴルファーの方はなかなかいないと思いますが、こうして数値になって見てみると、回転の開きを抑えた方が、方向性の安定には効果的であることがわかります。目標はトップでの数値が50度以内。これ以上シャフトが回転してしまうと、インパクトでスクエアに戻すのが難しくなります。ちなみに私の回転角は10度前後なのですが、このくらいの回転角であれば、フェースの角度をコントロールしやすく打ち出し方向を重視して打っていくことができます。先ほども言いましたが、回転角は0度が100点満点ではありません。自分が気持ち良く振れる範囲で、インパクト時にフェースをスクエアに戻しきれる数値を、トップ50度以内の中で見つけましょう。」
- 堀尾研仁
- 1971年4月16日生まれ 岐阜県出身。
デビッド・レッドベター氏に師事し、ゴルフティーチングの世界に入る。1997年よりデビッドレッドベターゴルフアカデミー公認インストラクターとして多くのゴルファーを指導。2002年にKEN HORIO GOLF ACADEMYを設立。2003年よりツアープロの帯同コーチとして活動開始。当時ノンシード選手であった田島創志選手、高橋竜彦選手の初優勝に貢献した。2005年には谷口徹選手の帯同コーチとして、全英オープン、全米オープン、全米プロといったメジャートーナメントにも同行。
現在は多数のプロゴルファーの指導と共に、各メディアへの出演、アマチュア向けのスクール運営、企業向けのイベントなども精力的にこなしている。
- KEN HORIO GOLF ACADEMY http://www.kenhoriogolfacademy.jp/index.html/
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