「白ティからでもスコアをアップしたい！」

「レディスティからだと90前後のスコアで回れますが、白ティになると、100くらい。スコアが一回りくらい違ってしまうんです。やはりネックは飛距離。白ティからでも余裕のゴルフができるように、飛距離アップを目指したい！」（向井さん、ゴルフ歴15年、ベストスコア：レディスティ86、白ティ90）

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まずはダウンスイングの軌道をチェック

以前は、ものすごいカット打ちで、ビッグスライサーだったといいますが、今のスイングはどうでしょうか？

ポイントとなるのは、飛球線後方から見て、アドレス時の首とシャフト先端を結んだライン、シャフトの延長線でつくられるVゾーンに対して、どのようにクラブが降りてきているかです。

Vゾーン内にクラブが降りてきていれば合格。しかし、向井さんの場合、Vゾーンの上からクラブが降りていますね。つまり、アウトサイドインでカット打ちになりやすい、スライサー軌道からまだ脱却できていない感じですね・・・。

ドライバーがダウンブローになっています

さらに、スイングの特徴をインパクトにクローズアップして、もう少し詳しく見てみましょう。

まず、飛球線に対するヘッドの軌道ですが、左右に散っていて、アウトサイドインの時もあれば、実はインサイドアウトの時もあって、スイングの軌道が不安定な状態です。

もう一つ気になるのは、各ポイントがグラフの下に貼り付いていること。グラフの縦軸はインパクトの時のアッパー度合いを示していますので、どのショットでもかなりのダウンブローでインパクトしていることが分かります。しかし・・・

ドライバーはアッパーに捉えるのが理想的

ドライバーで飛距離を稼ぐには、Aのポジションが理想なんです。インパクトの時に、飛球線に対してスクエアかインサイドアウトの軌道で、なおかつボールに対して、ヘッドが下から上に向かう時に、もっとも効率的に飛ばすことができるからです。

向井さんの場合、アウトサイドインの軌道かつダウンブローになった、Aと正反対の位置にあるCにいるときが、もっとも飛ばない状態であると思われますね・・・。一方、アイアンはダウンブローが理想なので、比較的得意だと思いますが、問題はドライバーです。

どうしてアウトサイドインの軌道になるのか？

ダウンスイングの軌道は、ハーフバックまでの軌道と深く関わりがあります。ダウンスイングはテークバックの軌道に沿って、降りてきやすくなるからです。テークバックを見てみましょう。

テークバックの理想もVゾーン内に上がること。しかし、テークバックの時点で、すでにVゾーンを外れて、上の方に上がっていることが分かります。

ハーフバックでは飛球線と平行を意識する

向井さんのハーフバックは、飛球線に対して、ヘッドが体から離れる方向に上がっているんです。テークバックの段階から外に上げているので、その上げた軌道を辿るように、どうしてもアウトサイドインになるんです。

テークバックの理想は、まず腰の高さまでクラブを上げたハーフバックの時点で、このようにクラブが飛球線と平行になっていることが大切です。

この棒に当てない意識で

外に上げれば外から降りやすくなる。ダウンスイングはテークバックの軌道を辿ろうとするからです。そこで、こんな風に障害物を置いてみましょう。

テークバックで外に引けば、棒に当たってしまいますよ。意識することは、上げるときに、こうした障害物をイメージして、ハーフバックで飛球線と平行になる通過点を辿って、トップまで持って行くこと。ダウンスイングは何も意識することなく、いつも通りに降ろすだけ。

このテークバックに注意するだけで、アウトサイドインの軌道はかなり軽減されてくると思います。次回は、フィジカルな部分で、スイングに影響しているところはないか、深く探っていきたいと思います。