「腸活」って何?疲れやすいゴルファーはまず小腸から
おなかをこわしやすいゴルファーは大腸の「腸活」を
「腸活」とは腸内環境を整えて、腸を活性化すること。小腸と大腸でそれぞれ効能が異なり、前回は小腸の腸活が疲れやすさを軽減することを学んだ。引き続き今回は、大腸の腸活について管理栄養士で医学博士の岩崎真宏氏に聞いた。
――大腸の腸活はどんな効果があるのでしょう?
「下痢や便秘を起こしにくくするという点がわかりやすい効果でしょう。大腸には1000種類以上の腸内細菌がいて、善玉菌、悪玉菌、中間菌の3つに分けられ、流れ込んでくる食物繊維を食べて生きています。
日常的には、悪玉菌はいちばん数が少なく害もないのですが、何らかの理由で悪玉菌が増えると体に悪影響を及ぼします。油や脂肪、たんぱく質は悪玉菌を多く含み、肉や揚げ物などを大量に摂りすぎると、悪玉菌の増加につながります。わかりやすいサインは便の色で、普段から黒っぽい人は悪玉菌が多い傾向にあるので、注意が必要です」
――ラウンド中におなかの調子が悪くなり、トイレに困ったことのあるゴルファーは案外多いと思うのですが、そもそもおなかをこわすというのはどういった原因があるのでしょう?
「下痢の原因は消化不良や、冷たいものや辛いものの摂りすぎなどさまざまですが、大腸の腸内細菌バランスも関係しています。善玉菌の餌である食物繊維が少ないと悪玉菌が増え、その悪玉菌の中に下痢を起こす菌がいると、おなかをこわすのです。悪玉菌が増えないように善玉菌を増やすと、下痢は起こりにくくなり、同時に便秘も起こりにくくなります」
――悪玉菌が増えないようにするにはどうしたらいいのでしょうか?
「単純に悪玉菌を摂りすぎないようにすればいいのですが、善玉菌を増やして悪玉菌の増加を抑えるという方法もあります。
善玉菌には2種類あります。ひとつはビフィズス菌や乳酸菌といった、食べ物などから摂取する体に良い影響を与えるプロバイオティクス。もうひとつはもともと体の中にいるプレバイオティクスです。これらを増やすことで、悪玉菌の増加を抑えます。
この2つは別のもので、プロバイオティクスをいくら摂取しても、プレバイオティクスが増えることはありません。プロバイオティクスは体内に入っても、働きを終えると死んでしまうので、摂取し続けなければなりません。そのために、食品などでプロバイオティクスを摂るわけです」
大腸の腸活に良い食べ物は?
――何だか複雑そうですが、具体的にはどんな食品で摂りやすいのでしょうか。
「腸活を意識した際に、体や体質の変化を感じやすいのは、プレバイオティクスが増えた場合です。プレバイオティクスが食べる食物繊維は、緑黄色野菜、ケール、ほうれん草や小松菜、チンゲン菜、オクラやナス、ゴボウ、ネギなどに多く含まれます」
――やはり野菜は良いのですね。ケールは青汁で知られていますが、野菜ジュースなども多く摂るといいのでしょうか?
「残念ながら、青汁や野菜ジュースなどのいわゆる絞り汁になると、食物繊維は摂れません。ドリンク状にするのであれば、スムージーなどにすると良いでしょう。
みなさん『野菜を食べている』というと、レタスやキャベツといったものが多いのです。残念ながら、それだけでは食物繊維が不足しがちなので、多品目のサラダを食べるなど工夫してみてください」
腸活を手軽に始められる便利な食品も
日常生活のパフォーマンスアップはもちろん、ゴルフで集中力を維持しながら快適にラウンドを楽しむためにも、腸活は効果がありそうだ。実際に取り組んでみたいが、毎日多くの野菜を調理して食べたり、冷たいスムージーを持ち歩くのはなかなか大変かもしれない。
そんな人には、大腸の善玉菌を増やす「プロバイオティックバー」や、野菜をまるごとパウダー状にし、食物繊維ごと摂ることのできる「やさいパステル」などがおすすめ。常温で持ち歩きできて、仕事中や外出先、ゴルフをしながらでも簡単に食べられるので、腸活を始めるきっかけとして活用してみてはどうだろう。
岩崎真宏 プロフィール
管理栄養士/博士(医学)/一般社団法人 日本栄養コンシェルジュ協会 代表理事
医学研究者としてならびに病院管理栄養士として国内外での学会で研究発表、論文発表、学会賞受賞などの実績を持つ。健康管理や疾病予防、スポーツのための効果的な栄養サポートを提案し、多くの医療従事者や運動指導者と協力して質の高いヘルスケアサービスの開発と普及に取り組んでいる。ヘルスケア、ウェルネス、スポーツ、農業、地域活性化など、栄養を切り口とした多業種連携に取り組んでいる。オフィシャルサイト<http://nutrition-concierge.com/>
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