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日本シャフト特集
2021/08/30

「創業60年の伝統を未来につなぐ」 社長が大事にする積極的な会話術

連載:ゴルフシャフトの“新定番”を生み出す熱きリレー
日本シャフト 酒井社長 日本シャフトの代表取締役社長を務める酒井直人(撮影:岡崎健志)
日本シャフトの代表取締役社長を務める酒井直人(撮影:岡崎健志)

<ゴルフシャフトの“新定番”を生み出す熱きリレー>

ゴルフクラブの性能を語る際、ヘッドと同様に重要なのがシャフト。求める弾道やスイングを作る上で、最適なものを使うか使わないかで、全く変わってしまう。そのシャフトを完全国内生産で製造する唯一の総合シャフトメーカーが日本シャフトだ。

1959年に「ばね」の世界トップメーカーであるニッパツのグループ企業として誕生。「N.S.PRO」シリーズなど、世界的にも評価されるヒット商品の数々を世に送り出している。

ヒット商品を生み出す会社の雰囲気

日本シャフト 酒井社長 「N.S.PRO 950GH」、「N.S.PRO MODUS3」、「N.S.PRO Regio Formula」シリーズなど、ヒット作を続々と開発している(撮影:岡崎健志)
「N.S.PRO 950GH」、「N.S.PRO MODUS3」、「N.S.PRO Regio Formula」シリーズなど、ヒット作を続々と開発している(撮影:岡崎健志)

ひと昔前まで、「N.S.PRO 950GH」のイメージが強かった日本シャフト。ただ、ここ数年は「N.S.PRO MODUS3(モーダス3)」シリーズや「N.S.PRO ZELOS(ゼロス)」がヒットし、20周年の「N.S.PRO 950GH」を継承して2019年に発売された「N.S.PRO 950GH neo」も加わってスチールシャフトのラインアップが豊富になった。さらには、ウッド用のカーボンシャフト「N.S.PRO Regio Formula(レジオ フォーミュラ)」シリーズなど、次々にヒット商品を開発している印象が強い。

人気シャフトが続々と誕生している背景には、クオリティーの高いモノ作りの技術力、開発力があることが、メーカーとして最大の武器と言える強み。その土台には、従業員が自分の意見を言いやすく、主体性を持って働ける環境が整っていることがあるようだ。

多くの社員が「働きやすい」と口を揃える職場の雰囲気ができ上がっているのは、現在の社長を務める酒井直人の存在が大きい。親会社のニッパツから、代表取締役として酒井が日本シャフトにやってきたのは、今から7年前の2015年のことだった。

あえて社長室を使わない決意の背景

日本シャフト 酒井社長 あえて社長室を使用せず、社員と同じフロアにデスクを並べる(撮影:岡崎健志)
あえて社長室を使用せず、社員と同じフロアにデスクを並べる(撮影:岡崎健志)

社長に就任した酒井が最初に行ったのは、他の社員たちと同じフロアに自分の席を設けることだった。「本社は2階建てで、社長室は2階にあります。他の社員のデスクが1階にあるのですが、社長室にいると下の階にいる社員たちとコミュニケーションが取りづらいんです。同じ空間にいれば、会社でいま何が起こっているのかを把握しやすいですよね。それで、私の席を1階に移したんです」。風通しの良い職場作りを率先するため、まずは社長室に閉じこもらない決意を示したという。

本社に隣接する工場へ「一日1回は必ず行く」というのも、酒井が社長就任とともに自らに課した大切なルーティンだ。「工場を回って、できるだけスタッフに話しかけるようにしています。例えば、前日に掃除をしていた社員を見かけたら、『キレイになったじゃないか』と話しかけます。していることといえば、その程度の会話内容ですけどね(笑)」

現在はコロナ禍の影響もあり、頻繁には行けなくなったが、長野県にある駒ヶ根工場にも可能な限り足を運んでいるという。どんな社員とも積極的にコミュニケーションを取りたい。「就任当初は、『どんな人が社長になったんだ?』と不安だったスタッフもいたでしょう。今は工場に行くと、向こうから話しかけてくれるほど、関係性を築けていると思っています」

人事畑社員が工場責任者を務めるには?

酒井がこういったスタイルで社長業を行うようになったのは、ニッパツ時代の経験によるところが大きいという。ニッパツに入社して早々に人事部に配属され、人事畑で育った酒井だが、ある時、工場の業務課長の辞令を受ける。「会社の中で1、2を争う忙しい部署への異動でした。『工場の司令塔として働いてくれ』と言われたのですが、正直なところ、ずっと人事部にいた私が、専門外の重要ポストで期待通りに働けるとは思いませんでした」

当初は、自分に回ってくる伝票の見方も、専門用語の意味も、あれもこれも分からない状態。「そんな自分に何ができるのだろうか」と悩んだ時期もあったが、ある時から意識を変え、気持ちがラクになったという。
「私が何もできず、どんなに悩んでいても、工場は毎日稼働しているんですよね。それに気づいてからは、『工場のスタッフが気持ちよく働ける職場を作ろう』と思うようになったんです。業績を見て、数字を管理しているだけの上司になってしまうと、スタッフたちの気持ちは離れてしまいます。管理職の社員だけでなく、若い社員や派遣社員にも話しかけ、一人ひとりとコミュニケーションを取ることから始めました」

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