ヤマハ インプレスX V202 ドライバー(2012年モデル)
打ってみると?
試打クラブはロフト10度。シャフトは標準装着のグラファイトデザイン ツアーAD LV-6SバージョンII。9度表示でリアルロフトは10度。フェースアングルは±0度。スクエアフェースだが、構えるとほんの少しフェースが左を向いた感じに見える。
シャフトはアスリート向けのSらしくしっかりしている。ワッグルすると中間から先端部にかけてしなりを感じ取れる。硬さの目安となる振動数は259cpm。クラブ重量は305。2gでバランスはD1。前作に比べると約5g軽い。長さは実測で45.75インチ(※ヒールエンド法計測)。
アイアンでウォームアップしてから、ヘッドスピード45m/sで打ち始めてみると・・・「スパーン」と弾き感があるインパクト音とともにボールはやや低めの弾道で「前に前に」飛んでいく。前作同様、長尺仕様だがボールがフワッと高く舞い上がる気配はない。インパクトゾーンでヘッドがアッパーに動く度合いが少なく、打ち出し角度が低めになるからだ。加えて、スピンも少なめ。非力な人にはボールが上がりづらい怖さもあるが、パワーヒッターが使えば、放物線弾道が打ちやすい。キャリーだけでなく、ランでも飛距離を稼げるドライバーだ。
ヘッドスピードを47m/sぐらいに上げても吹き上がらない。フェース中央よりもほんの少し上で捕らえると打ち出し角が11~13度で、スピン量は2000~2600回転。インからあおって打つとドロップ気味の弾道になる怖さがあるが、プレーンに沿ってクラブが下りてくると、風に強い低スピン弾道がオートマチックに打てる。そして印象に残ったのが弾き感。前作に比べると、芯を外した時の弾き感が少し良くなっている。
球筋的には、普通に打つとストレートから軽いフェード弾道。見た目よりも左に飛びづらいチューニングがなされているのだろう。インからあおって意図的にドローを打とうとするよりも、素直にフェードを打とうとした方がヘッドの挙動が安定する。ドローを打つことよりも、フェードで飛距離を稼ぎたい人と相性が非常に良さそうだ。
ツアーAD LV-6バージョンIIは典型的な先中調子。前作と比べると手元側が少ししなるのが手に伝わる。ただし手元剛性が高いシャフトなので、ダウンでタメをキープできる中・上級者向けだ。ダウンでタメを上手くキープできるとインパクトゾーンではスピーディーな加速感が味わえる。操作性が案外良いので、長尺仕様にしては球筋も打ち分けやすい。
46インチの長尺が好きか嫌いかで好みが分かれるが、ミート率が良い中・上級者が使えば、長尺効果でヘッドスピードを上げられ、飛距離アップを狙っていける。ミスした時のフェースの弾き感が良くなっているので、前作と打ち比べると完成度の高さを実感できるドライバーだ。