カタナ ボルディオ ニンジャ FG 829Ti ブラック ドライバー
打ってみると?
試打クラブはロフト角9度で、シャフトは標準装着される「フジクラ スピーダー 561」のSフレックス。ワッグルすると手元が適度に硬く、中間から先端にかけてしなりを感じるシャフトだ。
まずは長尺シャフトに振り遅れないように、ややヘッドスピードを落として打ってみた。1発目から「カキーン」と鋭い金属音。ルール適合モデルであるが、ルール適合外の高反発ドライバーを打った時のような、鋭い弾き感が手に伝わる。今まで数多くのドライバーを試打してきたが、ルール適合でここまでフェースが弾くドライバーは初めてである。
ヘッドスピードを上げて打っても、感触に変わりはない。フェースの弾き感が強く、球離れも早い。長尺シャフトの影響もあってヘッドスピードが上がり、それに伴ってボール初速も上がっている。
弾道はと言うと、ストレートに打つつもりでスイングしてストレート弾道。面長フェースで重心距離が長めなのだろう。フックフェースになってはいるが、スライサーへのお助け要素はそれほど大きくなく、ヘッドの特性はニュートラルである。ヘッドの返りやすさよりも、左のミスが出づらいドライバーだ。
ヘッドスピードを46m/sに上げて弾道計測してみると、打ち出し角が12~13度でスピン量は2300~2800回転。低重心なのに加えて、フェース上部でヒットしやすいこともあって低スピン弾道が打ちやすい。リアルロフト角がそれほど大きくないが、ボールはやや高めの弾道となり、キャリーとランで飛距離を稼げた。
操作性に関しては、完全なオートマチックタイプ。球筋を左右に打ち分けることよりも、直進性の高い弾道が打ちやすいタイプのドライバーである。
純正装着される「フジクラ スピーダー 561」は手元の剛性が適度に高く、中間から先端がしなる先中調子。ダウンからインパクトにかけてはタイミング良くしなり戻るので、長尺でも振り遅れのミスが出づらく、インパクトの再現性が高まるシャフトだ。
ルール適合モデルの中で反発の高さを強くうたっているドライバーであるが、長尺効果でヘッドスピードを上げやすく、そして低スピン弾道が打ちやすい。長尺と相性がいいゴルファーにとっては、さらなる飛びを手に入れやすいドライバーである。