マーク金井の試打インプレッション

つかまりが良く球が上がる「フジクラ スピーダー エボリューション 5」

2018/08/21 05:00

シャフトの挙動

試打で使うヘッドは「テーラメイド M3 460 ドライバー」。体積はルール最大級の460cc。ロフト角は表示9.5度で、リアルロフト角は10度というもの。

試打するシャフトは「エボ 5」の569(50グラム台)のSフレックス。ワッグルしてみると手元が硬く、中間から先端がしなるのが手に伝わってくる。前作「エボ 4」に比べると、シャフトのしなり感がやや多めである。

まずはヘッドスピード43m/sぐらいから打ってみた。スパーンと鋭いインパクト音とともに、ボールが鋭く飛び出した。スピーダーシリーズは全モデルを試打しているが、この「エボ5」もインパクトゾーンでヘッドのしなり戻りが鋭く、それに呼応するかのようにボール初速も出ている。

シャフトの挙動は、トップからダウンの切り返しで中間部分がクイッとほどよくしなり、ダウンスイングからインパクトにかけてムチのような鋭さでしなり戻る。「初代エボ」と似ているが、違いを感じるのがしなり戻るタイミングだ。

「初代エボ」は切り返し直後にほんの一瞬、0.1秒ほどの空白の時間があり、その後溜めていた力を一気にはき出すかのように、鋭くシャフトがしなり戻った。これに対して「エボ5」には、切り返し直後の空白の時間がない。切り返し始めると、それに伴いシャフトがイメージ通りにしなり戻るのだ。「初代エボ」よりシャフトの挙動が直感的につかめ、タイミングが取りやすく、かつインパクトの再現性の高さを感じる。

インパクトゾーンではシャフト先端の動きがやや大きめ。前作「エボ 4」に比べると、ヘッドがアッパーブローに動くので打ち出しが高く、つかまりもいいので、高弾道でドローが打ちやすい。

ヘッドスピードを46m/s前後に上げても、シャフトの挙動は変わらず、ダウンスイングからインパクトにかけてはタイミング良くスピーディーにしなり戻る。

弾道計測をしてみると、ボール初速が出ていて、打ち出しが高い。ストレートに打つつもりでスイングしたら、ストレートから軽いドロー弾道になった。

続いてヘッドをインから入れると、狙い通りのドロー。ややカットに入れると、右曲がりのフェード。球筋も打ち分けやすく仕上がっている。

ただし手元の剛性が高いので、切り返しで力んでしまうと、シャフトの挙動がやや不安定になる。力強くボールを叩こうとするよりも、フィニッシュまで一気に振り切るようにスイングした方が挙動が安定し、ボールの飛び方も安定する。

メーカーの意図通り、「エボ5」は「初代エボ」の鋭い加速感を踏襲しつつ、かつ「初代エボ」よりもタイミングが取りやすく仕上がっている。フィニッシュまで振り切るスイングをすればシャフトの良さを引き出せるし、飛距離もしっかり稼げるだろう。

【適正ヘッドスピード】
スピーダー エボリューション 5 569(S):43~47m/s

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