飛距離とやさしさをとことん追求「プロギア NEW SUPER egg 480 ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角10.5度で、シャフトは純正「NEW SUPER egg」、硬さSR(M-40)を使用。
アドレスしてソールを地面に置いただけで、フェース向きはピシッと目標を向く。クラブを握って一番初めに印象に残るのは、グリップの太さ。通常サイズに比べ、ひとまわりほど太く感じる。これはグリップではなく、シャフト自体の手元側が太めでにできている構造によるものだろう。
ワッグルすると手元から先端にかけてムチのようにしなる。硬さはSRであるものの、体感的には一般的なRと同じくらいに感じる。
まずはシャフトに合わせて、ヘッドスピードを40m/s程度で打ってみた。「カキーン」と高反発フェースならではの金属音とともに、ボールは鋭く前に飛び出した。金属的な音は予測していたが、意外なことに耳が痛くなるほどのヒステリックな音ではない。ヘッドスピードを遅くして打っていることを差し引いても、上質で硬質な金属音といえる。
つかまりに関してはニュートラル。ヘッド体積が480ccもあるので重心距離もそれなりに長いと思われるが、インパクトゾーンではタイミング良くフェースが前を向いてくれる。ドローが打てるほどヘッドが返るわけではないが、右に抜ける球は出なかった。
続いて、ヘッドスピードをメーカー側がリミットに定めている43m/sで打ってみた。ヘッドスピードを上げると、それに比例してインパクト音も大きくなり、ボールを鋭く弾く感触が手に伝わる。
弾道計測してみると、打ち出し角は12.5~13.5度で、スピン量は2600~2900回転。ここまでは想定内の数値だが、ルールを超える高反発フェースの影響は絶大で、ボール初速が65m/s近くも出ている。
また、ミート率が1.5(※一般的に「1.4」を超えると効率が良い)という驚異的な理想値を、「NEW SUPER egg 480」では簡単に出せてしまう。USGA(全米ゴルフ協会)とR&A(ロイヤル・アンド・アンシエント)がフェース反発の上限をなぜ定めたのか、改めて納得してしまう。
重心位置は深く設定されており、スピン量は安定志向。特別に低スピン弾道が打てるドライバーではないものの、対象ユーザーのヘッドスピードが43m/s以下であることを考えると、適度にスピン量があるほうが安定したキャリーを出しやすく、飛距離も稼げる。
スピン量はクラブの性能だけでなくボールでも減らせることを、メーカー側も心得ており、このドライバーに合わせた高反発ボール「NEW SUPER egg ボール」をラインアップしている。
スイートエリアは見た目通りに広く、ルール適合の460ccドライバーを上回る感覚がある。またヘッドを大きくしすぎると、空気抵抗を懸念する人も多いが、シャローフェースにすることで、振り抜きには違和感を覚えなかった。
純正シャフトは、切り返しで手元がググッとしなり、インパクトゾーンではシャフト全体がムチのようにしなり戻る。インパクトで力を加えようとするのではなく、シャフトのしなりに合わせてスイングしたい人には、タイミングを取りやすいタイプといえそうだ。
ルール上限を越えた高反発フェースとヘッド体積を採用した「NEW SUPER egg 480 ドライバー」。ヘッドスピード43m/s以下での使用に限られるが、ルール適合モデルをはるかにしのぐ飛距離を得られる、驚異のドライバーであると感じた。