マーク金井の試打インプレッション

しっかり叩けて操作性が高い「スピーダー エボリューション 6」

2019/09/17 05:00

シャフトの挙動

シャフト試打で使うヘッドは、テーラメイドの「M3」。ヘッド体積は460cc。表示ロフト角は9.5度で、リアルロフト角が10度前後というもの。

試打するシャフトは「エボリューション 6」の569、硬さS。スピーダーは3桁の最初の数字が重量を表すので、50グラム台のシャフトということだ。

ワッグルしてみると手元が少ししなり、中間部分の剛性が高い。先端のしなりは歴代スピーダーの中では控えめである。中調子ではあるが、シャフトの中間部分が大きくしなるタイプではなく、シャフト全体のしなり幅は少なめだ。

素振りでシャフトの挙動を確認した後、まずはヘッドスピード43m/sぐらいで打ってみた。トップからダウンの切り返しではシャフトの手元側がクイッと少ししなる。中間部分の剛性が高めなので、シャフト全体というより手元だけがしなる感じだ。ダウンスイングからは全体がググッと鋭くしなり戻って、インパクトを迎える。

エボリューション 4」の設計を踏襲しているそうだが、切り返しやインパクトを迎えるタイミングは同社の「ランバックス X」に近いものを感じる。切り返しのタイミングが取りやすく、インパクトでしっかりと叩けるシャフトだ。

ヘッドスピードを46m/s近くまで上げて打っても、挙動は変わらない。切り返しでの手元のしなり感、ダウンスイングでシャフトが動き過ぎないから、インパクトでしっかり叩ける。叩いてもシャフトの挙動が安定しているので、打ち出し方向や弾道が乱れない。

ストレートをイメージして打てばストレート。フェードをイメージすれば軽いフェード。ドローをイメージしてヘッドをインサイドから入れれば、ドロー弾道が打てる。シャフトのしなり幅が少ないので、自分の意思が伝わりやすく、弾道をコントロールしやすい。

弾道計測してみると、打ち出し角は12.5度前後で、スピン量は2500~2800回転。ボール初速は66m/s以上が安定して出ている。シャフトの挙動が落ち着いていることは数値でも確認でき、さらに弾道が安定するから安心して叩いていける。

インパクトゾーンでは、シャフト先端の挙動が大きくないのでつかまりはニュートラル。スピーダーらしいシャフトの走りに、ランバックスの安定性が加味されたことで、シャフトの挙動に気を使うことなく、自分のパワーを存分に引き出せるシャフトだ。

叩けるシャフトでヘッドスピードを上げたい人や、弾道安定性を求めつつ飛距離を伸ばしたい人にとっては、1発目からイメージ通りの弾道が打ちやすいシャフトである。

【適正ヘッドスピード】
スピーダー エボリューション 6(569、硬さS): 43~47m/s

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藤倉コンポジット
発売日:2019/09/05 参考価格: 43,200円