真っすぐな弾道がオートマチックに打てる「ヤマハ RMX 220 ドライバー」
打ってみると?
試打クラブはロフト角9.5度。シャフトは純正シャフトに位置付けられる「TMX-420D」の硬さS。「120」と同じシャフトで、ワッグルすると中間部分から先端にかけてクイッと適度にしなってくれる。
まずはヘッドの挙動をチェックしながら、ヘッドスピードをやや落として打ってみた。「シュパーン」というチタンらしい心地良い金属音とともに、ボールは力強く飛び出した。
ストレートボールを意識してスイングすると、そのままのストレート弾道となった。インパクト時のフェース向きに対して、ボールが真っすぐに飛んでいく。兄弟モデル「120」も直進性が高い弾道が打てるが、「220」はさらに真っすぐな弾道がオートマチックに打てる。
慣性モーメントを大きくすると、インパクトでフェースが開きやすくボールがつかまりづらくなるが、フェースプログレッションを小さく重心を深くすることで、それを上手く解消している。
ただし、テークバックやトップでフェースを開いたり、フェースの開閉を強くしようとすると、インパクトでフェースが開いた状態になり、右にスッポ抜ける弾道になることがある。このような動きをせずにスイングした方が、ヘッドの挙動が安定し、弾道も安定するドライバーだ。
操作性に関しては見た目通りで、意図的に球筋を打ち分けるのが非常に難しい。重心距離が長く、慣性モーメントが巨大なのが影響しているのだろう。ドローを打とうと思ってインサイドアウトに振るとボールは右に真っ直ぐ飛び出し、アウトサイドインに振るとボールは左に真っ直ぐ飛んでしまう。意図的に曲げようとしても、ボールはインパクト時のフェース向きに対して真っ直ぐ飛び出してしまう。
ヘッドスピードを45m/sぐらいに上げて弾道計測すると、中弾道でほどよいスピン量。打ち出し角は12度前後で、スピン量は2600~2900回転。フェースのやや上側でヒットすると2300~2500回転となり、放物線状の弾道で飛距離を稼げた。
純正シャフト「TMX-420D」は切り返しで中間部分がほどよくしなり、インパクトゾーンでは先端側がしなり戻る。しなり戻りの加速感も適度で、タイミングが取りやすいタイプのシャフトだ。
ルール上限に迫る慣性モーメントにより、直進安定性とミスヒットに対するやさしさをとことん追求して作られている。ヘッド形状は好みが分かれそうだが、左右の曲がりを抑えたストレートな弾道で飛距離を稼げるドライバーである。