ツアーAD XC/ヘッドスピード別試打
筒康博「アンチ高MOIヘッド向け」
―率直な印象は?
「『ツアーAD XC』は、“アンチ高MOIヘッド”向けのシャフトだと思います」
―アンチ高…?
「はい。最近主流となっているMOI(慣性モーメント)の高いヘッドではなく、MOIを抑えた操作性の高いヘッドとの相性が良いシャフトといえそうです」
―どのような所が?
「全体的な動きを大きくして、先端の走りをしっかり出しています。激しい挙動はせず、かといって棒のような硬いだけのシャフトでもありません。シャフト自体の動きというよりも、ヘッドの運動量で飛ばしてくれる。素直な動きでヘッドの長所を引き出す、という点がこのモデルの一番の特徴だと思います」
―合いそうなヘッドは?
「国内メーカーの極端に重心が深くないモデルです。例えばミズノ『ミズノプロ モデル-E ドライバー』『ミズノプロ モデル-S ドライバー』や、ブリヂストン『ツアーB JGR ドライバー』が該当すると思います。海外ブランドですが、テーラーメイドの『M5 ドライバー』とも合いそうです」
―前作「ツアーAD VR」と比べてどう?
「正直なところ、デザインが同じであれば判別できないかもしれません(笑)。それだけ大きな差はないと思います。若干『VR』より『XC』のほうがスピード感があり、軽快に動くような感じはありました。歴代のツアーADシリーズの中でも、運動量が大きい部類に入ると思います」
―どのような人向き?
「小さな力感でも大きく動いてくれるシャフトですので、フェースローテーションでHSを上げたい人やボールを遠くへ飛ばしたい人向けだと思います」
筒康博(47)
変幻自在に球を操るクラブフィッター。クラブフィッティング&レッスンスタジオ「PCM Labo」総合コーチ。プロアマ問わず7万人以上のゴルファーにアドバイス経験をもつ。身長168cm。