ツアーAD HDを筒康博が試打「ツアーADの走り系」
グラファイトデザイン「ツアーAD HD」の評価は!?
グラファイトデザインの看板シリーズ「ツアーAD」の最新作「ツアーAD HD」。「HD」は「Hyper Drive」を表し、現在のトレンドとなっている大型&高慣性モーメントのヘッドに合わせた設計が施されているという。そんな時代にマッチさせたシャフトを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「近年発売のモデルの中で一番走る」
―率直な印象は?
「近年発売の『ツアーAD』シリーズの中で、一番スピード感を覚えるモデルかもしれません。2013年モデル『ツアーAD MT』は走るとか高弾道タイプと呼ばれましたが、それに負けず劣らず走り感の強いタイプと言えそうです」
―同シリーズ内での走り系?
「そうだと思います。特に私のようなHSが遅め(平均41.2m/s)のユーザーに感じることができる独特の走り感を備えている印象を受けます。重量帯で言うと40~50g台。それ以上の重いモデル(60~70g台)では、全体剛性を高め、しなり感を落としてきているように感じます」
―イメージが変わりますね?
「はい。素材や設計を大きく変えてきた印象が強いです。シャフトの作り方を、イチから変えたのではと思えるほど。モデル名を聞かずに打った場合、『ツアーAD』シリーズかどうか、判断がつかないぐらいです。直近4~5年間のラインアップの中では、間違いなく一番走るタイプだと思います」
―それでも他社の走り系とは違う?
「そうですね。例えば、走り系の代表格である藤倉コンポジット『スピーダーエボリューション』シリーズは、しなっているエリアを広げてきているのですが、『ツアーAD HD』の場合は本当に真ん中だけ、中央部分の一カ所が集中してしなっている感じです。『スピーダーエボリューション』のように、グイーンとムチのようにしなるのではなく、パキッとしなって、シャキッと戻る。しなり戻りの復元力が高い特性だと思いました」
―相性の良いヘッドは?
「この走り感を生かすには、慣性モーメントの高い大型ヘッドが合うと言いたいところですが、世界ツアーNo.1使用率を誇るツアーモデルということで、やはりある程度は俊敏さが残っていないと対応できない部分は感じます。今回試打したテーラーメイド『SIM MAX ドライバー』より最低でもサイズ感は大きく、それでいて操作性の高いモデル。具体的には、ピン『G425 LST ドライバー』、ダンロップ『スリクソン ZX7 ドライバー』、キャロウェイ『マーベリック ドライバー』、プロギア『RS ドライバー(2020)』といったところでしょうか」
―どのような人向き?
「HSはそれほど速くないけれど、それでも自分で振りにいきたい人。パワーはそれほどではないものの、自分でスピード感を出したい人に、ちょっぴり手助けしてくれるモデルと言えます。一般的な多くのアマチュアに支持されそうですが、女子プロゴルファーの中でも受け入れられそうなシャフトではないかと思います」
走り感と粘り感の差が大!【総合評価3.8点】
【走り感】4.5
【粘り感】3.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【デザイン】4.0
・使用モデル:HD-4、HD-5(どちらも硬さ:S)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM MAX ドライバー(ロフト角:10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター
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