テーラーメイド「300 ミニドライバー」の評価は！？

ヘッド体積307ccのコンパクトモデルで、20年前の初代「300」シリーズをオマージュしてつくられたテーラーメイド「300 ミニドライバー」。当時のディテールを再現したデザインが目を引くが、「ツイストフェース」「貫通型スピードポケット」などの最新テクノロジーが搭載されたモデルに仕上がっている。そんな“現代版ミニドラ”を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

• 1WのHS40m/s台・筒康博の場合
• 1WのHS50m/s台・万振りマンの場合

「ターゲットが明確！ HS45m/s以上向けクラブ」

低くて強い球筋だったもののやや右方向への弾道が多かった

―率直な印象は？
「正直、私には必要ないかなー…(笑)。ドライバーとフェアウェイウッドの中間としてキャディバックに入れるべきか、それとも3Wの代わりに使用するべきか。どんなシチュエーションで使うべきかを、すぐにイメージすることができませんでした」

『コンパクト形状に大きな飛距離を実現』体積は307cc

―必要性をそれほど感じない…？
「私の腕前が使えるレベルに至っていないということもあるのですが、それよりも私のような平均HS35～36m/sのゴルファー向きではないことが、はっきりしているクラブなのだと思います。HS45m/s以上で飛距離を十分に出せるゴルファーの中で、大型ヘッドが苦手という人向き。ターゲットを絞りに絞ったモデルなのではないでしょうか」

低深重心設計により最適なパフォーマンスと高慣性モーメントを融合

―最新テクノロジーが詰まっていますが？
「ヘッド構造や、ソールが滑りやすい『Vスチールソール』など、同社のテクノロジーが満載の部分は、見た目や使い勝手からだけでも感じられる性能の高さを持ち合わせています。アドレス時の上から見たヘッド形状もきれいですし、ターゲットに向けやすくて、とても構えやすい。特にここが悪くて、ここがダメという評価ではなく、HS30m/s台の私には必要ないというだけのことです」

同社SIMシリーズでも採用している「ツイストフェース」を搭載

―球筋は強かったですが？
「そうですね、球筋は強かったです。これでドライバー並みの飛距離が出るのであれば、やさしいと思えるモデルです。元々小ぶりなヘッドが好みということもありますが、扱いにくくて手も足も出ない難しさは感じません。必要性を感じなかった理由は、ドライバーや3Wの代わりに、望んで使うほどではないと思えただけのことです」

重さ:55g、トルク:4.0、バランス:D2、中調子(※硬さSの場合)

―“ミニドラ”のメリットは感じる？
「シャフトはドライバーと比べて短い(43.75インチ)ですし、ヘッドが小さいので、集中力がより高められる印象を受けます。シャフト『TENSEI SILVER TM50 MD』はクセがなく、扱いやすいのですが、特性的にしっかりしていて、全体的にはつかまり感が弱め。やや右に出る弾道が多かったのも、つかまり具合は抑えめにつくられているからかもしれません」

「自分の技術が至らない。出直してきます(笑)」と西川

―どのような人向き？
「HSが速いゴルファー。300ydくらい飛ばす万振りマンさん級のパワーのある人向けかなと思います。アベレージゴルファーで競技に出るような人でも、そこまで必要性を感じるかのな？ と思ってしまいます。それほどターゲットが明確で、使用するゴルファーを限定したクラブと言えます」

必要性は低い＋性能は高い＝評価が難しくオール4【総合評価4.0点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角：11.5度
・シャフト：TENSEI SILVER TM50 MD(硬さSR)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

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