クラブ試打 三者三様

SPEEDER NX GREENを万振りマンが試打「いつも安定するしなり感」

2023/04/29 07:00

アップデートされた緑の「NX」 HS50m/s台のYouTuber評価は!?

“次世代型"シャフトとして注目を集めた藤倉コンポジット「SPEEDER NX」シリーズ。2023年モデルとして登場した「SPEEDER NX GREEN」は、西村優菜永峰咲希吉田優利脇元華ら、昨年から既にスイッチしたプロも多く、いまや圧倒的な支持を得ている。そんな女子プロに人気の注目シャフトを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「常に同じ軌道で同じ弾道を生む安定感タイプ」

1球のみ引っかける弾道はあったものの 全般的に中弾道で強い球筋を生んでいた

―率直な印象は?
「他社モデルと同じ『60S』で試打しましたが、やや全体が重く、現在主流となっている“軽硬(カルカタ)”のイメージとは、また違う感覚が残りました。インパクトゾーンでスピード感をアップさせる飛距離性能に特化した特性というより、振り心地でのクセの無さや安定感で特徴を出している印象を受けます。常に一定のスイングで、同じ軌道を繰り返し描きやすいシャフトというのが、第一印象です」

他社ではあまり見受けられないグリーンカラーが所有感を演出する

―重く感じるというのは、どれほどのレベル?
「クラブを握った瞬間からずっしり手に残る感触、スイング中でのヘッドの効き具合でかなり重く感じられます。『60S』モデルで70~80g台のイメージです。同時期発売のモデルでいうと、三菱ケミカル『ディアマナ GT』が一番軽く、その次にグラファイトデザイン『ツアーAD CQ』、その2モデルより圧倒的に重い『―GREEN』。モデル40のフレックスSで、他2モデルと同等くらいの振り心地に感じます」

先端と手元のトルクを締めて振りやすい中調子を実現する「VTC(VARIABLE TORQUE CORE)」テクノロジー

―前作「SPEEDER NX」と比べると?
「前作も同様に、安定感重視型の部分は共通していますが、予測不能な突発的ミスがより少なく、挙動の安定感は増している印象を受けます。しなり戻りの速さで勝負するというよりは、少しタイミングがズレたり、切り返しがうまく取れなくてもイメージ通りのタイミングで、常に同じ動きでダウンスイングに移ることができる。スイングによって走ったり走らなかったりする悪いクセが表に出ない、非常に安定感のあるモデルという部分では、前作以上に仕上がっている印象です」

モデルは40~70、フレックスSだけではなく豊富にラインアップされている

―具体的にはどのような特性?
「思い切り叩きにいったときに、飛距離がバンッ!と伸びるわけではなく、コンスタントに300yd超えを放つことができるイメージで、とても実戦向きといえます。どこが粘ってどこが走るという特性ではなく、全体的なシャフトのしなり戻りで飛ばせるシャフト。シャフトの力でボールをつかまえる打ち方ではなく、自分でしなりをつくるイメージで振っていくほうが、ヘッド自体の性能をより引き出せる気がします。特に自分で振りにいった際の復元力の高さがウリ、といった特性でしょうか」

重さ66.5g、トルク:3.8、中調子(※60S、長さ46インチの場合)

―テーラーメイド「ステルス2 プラス ドライバー」との組み合わせは?
「比較的に重量のあるヘッドで、クラブの総重量的にややオーバースペックなところは否めません。ソールウエートを標準設定(前方スライディングウエート15g+バックウエイト15g)より軽くするか、ヘッド自体をより軽めのスタンダードモデル『ステルス2 ドライバー』に変更するか。キャロウェイでいえば『パラダイム トリプルダイヤモンド ドライバー』ではなく『パラダイム ドライバー』、コブラでいえば『エアロジェット LS ドライバー』ではなく『エアロジェット ドライバー』。シャフト先端側の重みを落とし、全体のバランスを軽くすることで、既に備わっている安定感にスピード感をプラスすることで、平均飛距離をさらに伸ばせるセッティングになるかと思います」

「特にダウンスイング時の挙動のブレなさを体感してほしい」と万振りマン

―どのような人向き?
「『60S』のスペックで使うのなら、相当プレーヤーのパワーが必要でしょう。一般的なHS(40m/s前後)の男性であれば、各社のスタンダードモデルのヘッドに、シャフトの長さを0.5~1インチほど短くして(※試打モデルは46インチ)合わせる組み合わせをお勧めします。より軽快に振り切れる長さで調整することで、さらにこのシャフトの持ち味である安定感が増し、ラウンドの結果に必ず直結する。オリジナルの“飛んで曲がらない一本”に仕上げることができると思います」

常にイメージ通りに振れる操作性満点◎【総合評価4.4点】

【走り感】4.0
【粘り感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【デザイン】4.0

・使用モデル:60(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド ステルス2 プラス ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋、ゴルフガレージ多摩店

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

藤倉コンポジット
トルクを加速に変換
発売日:2022/10/06 参考価格: 44,000円