ヨネックス EZONE GT TYPE S ドライバーを西川みさとが試打「HSちょい速用ぶっ飛びヘッド」
最強姉妹の相棒・ヨネックスの「GT」 HS40m/s未満の女子プロ評価は!?
ヨネックス EZONE GT TYPE-S ドライバーをHS40未満の女子プロが試打したら…【西川みさと】
岩井明愛3勝、岩井千怜3勝(11/11時点)、今シーズンもそろって活躍する姉妹を支えるのがヨネックス「EZONE GT TYPE S ドライバー」。ソール前方のチタンを極限まで薄肉化してカーボンを配置することで、フェース下部のスイートエリアを拡大させた。そんな最強姉妹の相棒を、ドローモデル「TYPE D」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずは、1WがHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「秀逸打感はそのままに 劇的なアスリートモデル化」
―率直な印象は?
「ロースピン性能に特化していて、かなりイマドキの性能に進化しているように感じます。インパクトではフェースにボールが食いついている感じが強く、前作の『EZONE GT 450 ドライバー』のときと同じように打感は秀逸ですが、HS30m/s台の私(平均35.1m/s)には難しい気はしました。フィーリングはそのまま継続しているだけに、スピン量が少なく、ボールが上がり切らない性能面には、やや疑問点が付く結果に…。私にはちょっと対応できないほどアスリートモデルにシフトしている印象を受けます」
―前作と大きく変わった部分は?
「前作『450』が良かった点は、スピン量がちょっと多めでボールが上がりやすかったところ。なので、今作の低スピン性能の追加は、私にとっては逆にマイナスに働いてしまった感じです。もちろんHSが速い人なら、スピン量が少なくなるほうが球筋は強くなるので、落下してからもランで稼げる飛距離性能を持ち合わせていて、ぶっ飛ばせる性能といえます。ただ、私くらいのHSだとややドロップ気味に落下を早く迎えてしまい、キャリーが思うように出ない。今作に限ったことではなく最新ドライバー全体の傾向といえますが、スピンが入ればやさしいけれどその分飛ばない、ロースピンなら飛ぶけれどシビアに感じる、色々なモデルがあるからこそ、この両端になり過ぎないバランスが求められている気がします」
―調整するならどういう点?
「そうですね、今回の試打ではロフト角10.5度で打ちましたが、11~12度に上げて打ってみたいと思います。それくらいロフトを付けて打ち出しを上げれば、このロースピン性能は十分に活かせるでしょう。原因がシンプルな分、調整方法はすごく楽に探し出せるので、逆に扱いやすく感じるメリットを感じます」
―「TYPE D」との違いは?
「『TYPE D』のほうが打音がやや甲高く、弾きが強めに感じられました。若干打感が硬めに感じる『D』のほうが、耳から聞こえる情報は飛ばせている意識が持て、『S』よりマイルドな性格に感じられます。構えたときのルックスでも、ヒール側のシルエットが『S』より丸みを帯びていて、若干ハードな印象を薄めて見えます。好みでいうと、精悍でターゲットに向けやすい『S』のほうが構えやすいのですが、打った球筋や安心感から、扱いやすい『D』のほうが即戦力になる気がしました」
―他社モデルと比べると?
「『GT』と聞くと、同名のタイトリストのドライバーを思い浮かべますが、確かに弾道やロースピン性能はどこか印象が近づいている気がします。操作性が高く、低スピンで飛ばせる要素が類似。その半面で自分で上げようという動きが入り、スイングを崩しかねない共通点も兼ねている。また、前作から大きく変化したヤマハ『インプレス ドライブスター TYPE/S ドライバー』も太刀打ちできない難しいレベルは似た印象。どちらも前作のやさしいイメージからガラリとハードに変わったモデル。それでも食いつきのある打感がある分、私なら同じ『TYPE S』でも今作ヨネックスの『S』を選びます」
―どのような人向き?
「HSでいうと、私くらいの人はちょっとお勧めできないかなと思います。最低ラインとして、若干つかまり具合の強い『D』は40m/s、今作『S』は43m/s以上。それこそ岩井姉妹くらいスイングスピードがあればビッグキャリーで飛ばせるモデルといえそうです。ただ、すごくボールが食いつき、インパクトで押せている感じもあり、落ちてからのランも出そうな雰囲気はあるので、あとは打ち出し角の問題をクリアできれば、必ず飛ばせる仕様になると思います」
キャリー不足が採点に影響 30m/s台は「TYPE D」のほうが正解か【総合評価3.8点】
【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:RK-04GT(硬さSR)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
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