スリクソン ZXi LS ドライバーを井上真熙が試打「弾道のシェイプが自由自在」
寛容性も高いと噂のロースピンモデル ゴルフ知識を学んできた理論派コーチの評価は!?
スリクソン ZXi LS ドライバーを専門的にゴルフ知識を学んできた理論派コーチが試打したら…【井上真熙】
スリクソン史上最速のボールスピードを生み出す「ZXi」シリーズ。発売された4モデルのドライバーの中から、今回はロースピンモデル「スリクソン ZXi LS ドライバー」をピックアップする。すでに「LSの割に寛容性が高い」と評判の今作だが、果たしてその噂は本当か!? 兄弟モデルと比べながらヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ゴルフ知識を多角的に学んできた理論派コーチ・井上真熙(いのうえ・まさき)が試打評価を行った。
「ドロー・フェードが明確に打ちやすい 最強セッティングも可能!」
―率直な印象は?
「ひと言でいうと、スピン量を抑えたいプロ向けモデルという感じがします。アベレージゴルファーにはかなり難しく、使用者は球筋をコントロールできる限られたレベルが対象者になる気がしました。ただ、基本的にプロ仕様ではあるものの、操作性という面では、よりドロー・フェードが明確に打ちやすい印象を受けます」
―ドロー・フェードが明確に打ちやすい…?
「はい。操作性が高いと評価させてもらったのですが、安定してボールを曲げられるということです。“統一性”と表現していいのか分からないのですが、ドローヒッターはドロー、フェードヒッターはフェードを統一して打ちやすい。意図的に曲げにいかないとドローorフェードしないということがなく、自ら何かをする必要がない。イメージ通りに持ち球が打てる安定感。そういう面では難しさは全く感じられず、逆に簡単に打ち分けができるモデルなのかなと思います」
―試打中、具体的にどのような検証を行った?
「『LS』とスタンダードモデル『スリクソン ZXi ドライバー』の2本で、ドローとフェードを打ったときに、どのくらいスピン量が出るかを検証しました。『LS』ではドローで2000rpm以下しか入らず、ややドロップ気味に…。しかし、フェードを打つとちょうど2200~2300rpmの適正量となりました。一方のスタンダードの場合、逆にドローだとちょうどいいくらいの数値が出て、フェードをかけにいったら3、4000…と上がってしまった。ドローヒッターの私にとってはスタンダードのほうが合うという結果になりました」
―3機種を比べると?
「性能面以外の見た目、打感では『MAX』とスタンダードとの違いはあまり見当たらず、ほぼ一緒に感じます。ただ、性能面は先ほど述べた操作性の違いと、飛距離性能は特化して優れていると思いました。他2モデルと比べて寛容性がちょっと薄れる半面、低スピンで強い球筋は破壊力抜群。ビッグドライブが期待できるロースピンモデルに仕上がっています。スタンダードと外観は変わらず、プロモデルの中では安心感が抱けるルックスであるのに対し、飛距離性能は高いので、かなりそのあたりのギャップを魅力に感じる人は多いでしょう。取り扱いだけ間違いなければ、良い相棒になってくれる確率は高い気がします」
―シャフトをカスタムして、飛ばしに特化したモデルを作るとしたら?
「例えば『MAX』では、フジクラ『SPEEDER NX GREEN』がお勧めと挙げましたが、今作であれば、先端から中間の剛性を高めてヘッド挙動が安定しやすい『SPEEDER NX BLACK』や『VENTUS BLACK』といったねじれを抑制するブラックシリーズを合わせると、最強のマッチングが作れそうです。あとはフレックスでタイミングが合うものを選べば、飛ばしのための一本ができ上がるでしょう」
―どのような人向き?
「スコア60、70台を目指す、かなりプロ志向の強いユーザーがメインになると思います。単に左右どちらの方向にも行かせたくないということではなく、スピン量の多さ、上下のミスを警戒するゴルファー向き。どの高さでコースを攻略するかが頭に入っている人には、絶対的な味方になってくれるでしょう。対象HSは45m/s前後でも厳しく、50m/s前後と言ってもいいくらい…。んー、でもまぁそこもボールの高さが出やすいフェードヒッターは45m/s、ドローヒッターは50m/s前後と分けて考えてもいいかもしれません」
全項目で4.5以上 操作性&構えやすさ満点◎の高得点【総合評価4.7点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】5.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:VENTUS ZXi6(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
井上真熙(いのうえ・まさき) プロフィール
1998年生まれ、茨城県出身。ゴルフコーチを行っていた叔父の誘いで10歳からクラブを握る。高校ではゴルフ部に入り、ゴルフの楽しさを伝える仕事に就きたいと考えるように。卒業後、東京ゴルフ専門学校に入学してルール論、ゴルフ歴史学、心理学、用具論、用具メンテンナンス、トレーニング論、スイング論を学ぶ。PGAティーチングプロ資格取得済み。現在は「ゴルフテック by GDO」六本木店にて勤務。
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