マトリックス図新作FWの選び方は? 一目で特徴が分かるマトリックス図を大公開
2019/09/30
グリーンまで距離のあるセカンドショット。少しでも近づけたいし、あわよくばグリーンオンしたい…。そんな時に役立つのがフェアウェイウッド(FW)。ドライバーの次に飛距離を出せるクラブだが、地面から打つのは苦手というゴルファーも多いのではないだろうか。
クラブ選びの参考として、レッスンスクール「ゴルフテック」羽田空港店でクラブフィッティングを行う三田貴史コーチが作成したマトリックス図を紹介する。
FW選びの基本は「球の上がりやすさ」
今回は10社16本の最新5番ウッド(クリーク)を選び、縦軸を高弾道―低弾道、横軸を操作性重視―直進性重視の違いで配置した。
三田コーチによると、FW選びの大事なポイントは「球の上がりやすさ」とのこと。「フェアウェイウッドは最下点をコントロールすることが大事なクラブです。ちゃんと当たればロフトなりにボールが上がってくれるので、(打球が上がりやすいクラブならば)無理に球を上げようとするスイングをせずに済みます。上級者は高さをコントロールできるので、ほかの点を重視しても良いのですが、アマチュアゴルファーにとって、まずは球の高さを出せるFWを選ぶと良いでしょう」
高弾道を打ちやすいクラブとして挙げられるのが、住友ゴム工業(ダンロップ)のゼクシオプライム。シャローバックの形状で、ソールには27グラムのウェイトを搭載した低重心設計のクラブとなっている。それに続くのがピンのG410 SFTで、こちらもソール後方にウェイトを配置。低重心で高慣性モーメントの設計が特徴だ。
球の上がりやすさはヘッド性能のほか、シャフト軸に対してフェース面が作る角度を示すリアルロフトも大きな要素となる。この値を測定する際は、フェースをスクエアの状態にする必要があるため、ゼクシオプライムやG410 SFTのようにフェースがクローズなものはロフトが増える傾向にある。逆にタイトリストの TS2、TS3、スリクソンZ F85のようにフェースがオープンなものはロフトが減るため、表示ロフトとの差が生じるので注意したい。
ただし、リアルロフトは専用の器具で計測しないと実数は分からないため、実際に試打をして、球の上がりやすさを確認した方が良い。「試打する際は、弾道計測器で打ち出し角とバックスピン量を見ておくと球の上がりやすさが確認できます。あとは実際に球が上がりやすいという印象を持てることが大事でしょう」
平均的なヘッドスピード(40m/h程度)の人が地面から打った場合、3番ウッド(スプーン)なら打ち出し角は11度~15度で、3000~4000rpmのバックスピン量、5番ウッドなら打ち出し角は13度~18度で、3500~5000rpmが最適とのことだ。
スライサーの人は重心角が大きいクラブを
操作性に大きく関わるのが重心距離と重心角。重心距離はシャフトの軸線からフェース面上のスイートスポットまでの距離のこと。また重心角はクラブを平らな場所に寝かせ、ヘッドを宙に浮かせた時、フェース面が垂直方向に対して上を向く角度のことだ。
重心距離は長ければ長いほど、ヘッドを返すための力が必要となる。逆に距離が短いとヘッドの返りが良くなり、つかまりやすくなる。重心距離は5番ウッドだと34mm程度が平均的な長さとなる。
重心角は上を向けば向くほどヘッドは返りやすく、つかまりが良くなる。重心角が小さいとヘッドの返りが緩やかになり、引っ掛けの心配が減ってくる。平均的な重心角は23度~24度くらいになる。
「FWはドライバーよりも重心距離が短くなるので、スライスのミスは軽減されます。それでもスライスが出てしまう人は、重心角が大きければ大きいほど安心 だと思います。逆に引っ掛けが怖い人は、重心角が少なく、重心距離が長いものを選ぶと良いでしょう」
高弾道を打ちやすいゼクシオプライムやG410 SFTは重心角が大きく、「絶対にスライスを打ちたくない」という人にとっては心強いクラブとなりそうだ。
一方、上記のモデルと比較して重心距離が短く、重心角が小さいテーラーメイドのM5、キャロウェイのエピックフラッシュシリーズ、タイトリストのTSシリーズなどは、低弾道で操作性重視となる左下の枠にそろっている。これらは過度のつかまりを抑え、左へのミスを減らしたい上級者向けのクラブとなっている。
FWの本数を減らすという選択肢も
今回はFW選びの指標になるマトリックス図を紹介したが、クラブセッティングを考える際、「FWを減らす」という選択肢についても三田コーチはアドバイスする。
「最近はストロングロフトのアイアン(ぶっ飛び系アイアン)を使う人が増え、使用するFWやユーティリティの本数が減る傾向にあります。スプーンとクリークで距離を打ち分けられるアマチュアの方はそれほど多くありませんので、逆にウェッジの本数を増やした方がスコアメークに役立つ可能性があります。ただ、ドライバーが苦手な人はFWをティショット専用として入れるのも良いでしょう。ティアップすることで、フェースの上部で当たるので高い球がでやすくなり、低スピンで強弾道が打てるので飛距離も出ると思います」
FW選びの際は今回のマトリックス図を参考にしながら、自分に最適な心強い武器を見つけてほしい。
取材協力/ユニバーサルゴルフ社
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