「ローグST」（左）と「エピック」（右）の違いとは？

キャロウェイの2022年モデル「ローグ ST」シリーズのドライバーが発表された。初速アップを追求したという2代目ローグの性能について、21年モデル「エピック」シリーズとの主な違いをゴルフライターの鶴原弘高氏が解説する。前作からの移行、またはどちらかの購入を検討中のゴルファーは、比較する上での参考にしてほしい。

全体的なやさしさは「ローグ ST」が上位

まずはシリーズ全体の特徴を比較するにあたり、鶴原氏は両モデルの試打を行った印象として“寛容性”の違いを挙げた。
「一言で言えば、“やさしい”のが『ローグ ST』です。『エピック』よりもオフセンターヒットに強くてミスに寛容であり、球のつかまりが良いという感覚でした」

鶴原氏はその理由のひとつに「ローグ ST」の4タイプ全てのヘッド最後方に約11gのウェイトを設置されたことを挙げる。
「重心位置がさらに深く、低い位置に固定されたことが分かります。これまで以上に慣性モーメントが高まり、スイング中にヘッドがブレにくくなることで打点のズレも軽減できる。AIを駆使した『フラッシュフェース』もアップデートされており、オフセンターヒット時のボール初速もさらに落ちにくくなっていました。平均飛距離は自ずと上がってくるはずなので、『エピック』よりも確実に飛ばしやすくなっていると推察できます」

「ローグST」がやさしいモデルに寄せられていることは、ヘッドのラインアップにも顕著に表れているという。
「『ローグST』は4タイプある中で、『エピック』にあった『エピック SPEED ドライバー』に当たるものがありません。投影面積が小さめで操作性がいい中・上級者向けのタイプがなくなった代わりに、つかまりが良く、打ち出しが高くなりやすい『ローグ ST MAX D ドライバー』を加えたことからも、明らかにアベレージゴルファー向けに寄せていることが分かります」

さらに鶴原氏は、ヘッド形状の違いにも着目する。
「もともとキャロウェイのヘッドは少しクラウン部が盛り上がっていて、シャローバックなイメージが強かったのですが、『ローグ ST』は全モデルに共通してクラウンがフラットになっています。そのおかげで球を上げやすいイメージが湧きやすく、『エピック』よりも構えやすいと感じるゴルファーは多いのではないでしょうか」