「測る」だけではもはや時代遅れ!? ガーミン&キヤノンの最新レーザー距離計徹底調査
話題の最新2機種をレーザー購入経験ゼロ編集部員が調査
いまやゴルファーの必須アイテムといえるレーザー距離計に、新たな波が押し寄せている。ことし2024年の傾向として、計測以外の新機能を加えたモデルが続々と登場しているのだ。もはや「測る」だけでは時代遅れと囁かれそうな傾向だが、その使い勝手はホンモノなのか!? そこで「距離を測っても狙った通りに打てないので…」と諦め、一度もレーザー距離計を買ったことがないオヤジ編集部員(平均スコア100)が、話題の最新2機種を試してきた。
「つながる」2個持ち推奨モデル vs 「撮る」新規参入第1号
GPSスマートウォッチでもすでに人気の高いガーミンから、先月27日に発売された専用ウォッチとのペアリング機能付き「Approach Z30」。情報を瞬時に相互連動できることでプレーの幅が広がる。最新ウォッチ「Approach S70」と合わせると税込価格15万超え(「S70」9万9800円+「Z30」6万8500円)ということで、“2個持ち”が苦にならないリッチゴルファー向きといえるだろう。
一方カメラブランドの大手キヤノンからは、測定距離を写し込んだ静止画&動画が撮影できる「PowerShot GOLF」が7月下旬に発売予定。正確な距離測定をサポートするだけではなく、プレー後に見返して振り返ることができる“反省”好きゴルファー向けの機能付きだ。
■デザイン比較 「スマートな外観」vs「超コンパクト」
「Approach Z30」は白×黒のスマートなデザイン。ちょっと大きめサイズの幅39×高さ80×奥行112mm。握った感覚は「PowerShot GOLF」と比べてややコンパクトさに欠けるものの、逆にこのくらい存在感があったほうが、ポケットやカート棚に入れても忘れにくいというメリットを感じる。最後に発信された地点をアプリで後から検索できる「忘れ防止機能」も付いているので安心だ。
マグネット式マウントを搭載しているので、移動時にカートの鉄部分にくっ付けることができる点も魅力のひとつ。磁力は強めで落ちる心配はないものの、税込価格6万5800円という値段から、そのままカートを走らせる度胸の据わったゴルファーは限られそうだ。
「PowerShot GOLF」はとにかくコンパクト。重量は150gでサイズも幅31×高さ58.9×奥行91.2mmと小さい。手に収まる感じはたばこショートホープ2ボックス程度(分かりにく!)。尻ポケットに入れても全然気にならないほどのサイズ感で、スッと取り出せる大きさは「Approach Z30」にはない特徴といえる。
少し気になるのはカラーリングか。カメラの印象が強い同社モデルで、しかも黒一色という外観から小型ビデオカメラと類似する部分は否めない。最近のゴルフウェアがタウンユースでも流行するように、ゴルフ場以外でも使えるのでは? と思えてしまう。例えば息子の運動会にビデオカメラ代用で使用し、赤組の大玉まで何yd、白組のアンカーの子まで何ydという使い方は如何なものか。
■追加機能比較 「コースがデジタル化」vs「鑑賞飲み会可能」
「Approach Z30」は、ゴルフ専用GPSウォッチと一緒に利用できる以外にも、スマートフォンの専用アプリと連動してより緻密なコースマネジメントが可能。「Z30」を使ってプレー当日のピンポジションを特定することで、連動したGPSウォッチの情報をファインダー内で確認することもできる。
レーザーで距離を正確に把握し、ウォッチでコース全体を確認。「もうこれテレビゲームじゃん」と思えてしまうほど、コースがデジタルに浮かび上がる。新たな感覚でプレーしたい人にお勧め。逆に自然と対峙することがゴルフの醍醐味と考える人からすると、ちょっぴり違和感は残るのかも。
「PowerShot GOLF」の録画したムービーは、確かに高画質で手ブレ機能も付いているため、後から見ても落ち着いて鑑賞することができた。自身のプレーはもちろん、他者のショットを記録しておくと、後日上映会を開くこともできそう。
ただ、記憶力が20~30代の頃より低下してしまった小生には、後から動画を見返しても思い出せずに全くピンと来ないことも…。前もってティイングエリアのホール番号が刻まれた看板を映しておくか、同伴者に迷惑をかけない程度に「○番の○打目」と声で記録させておくと便利だ。
■使い勝手比較 「ビィーーーーーッ」vs「ビィーン!」
「Approach Z30」は、ピンに合わせる焦点は十字の中の小さな円に合わせる形式。左横にはグリーン全体のピンまでの前後の距離が表示される。気になった点は、掲示された表示が全て赤で、やや背景の緑に同化して見えてしまうところ。黒か白の文字のほうが見やすいなーと感じたが、これも好みによるだろう。瞬時の処理能力や正確性は高く、距離測定においての優位性は申し分なく高かった。
目標をキャッチするバイブレーション機能付きで、焦点を合わせたときの感触を擬音で例えると「ビィーーーーーッ」。試した際はGPSウォッチと併用していたためか、やや長めに振動している感覚を持った。ただ、キャッチするスピードや連動した表示速度のスピードは確かに速かった。
「PowerShot GOLF」は、コースの勾配を考慮した実距離である加減算距離を測定できるスロープ補正機能付き。計測値の白字の上に黄字で大きく示されているから明確だ。目標を定める焦点のマス目が角張った四角形で、他社と比べてやや硬派な印象。あえてマイナス面を挙げるなら、上の2つの押しボタンが近すぎて同時に押してしまいそうになる場面くらい…(慣れれば問題なし!)。
目標をキャッチするバイブレーション機能付きで、キャッチの感触を擬音で表現するなら「ビィーン!」という感じ。距離計というよりもカメラのオートフォーカス感覚。ちなみに、この日一緒にラウンドした同業者から借りたB社の測定器を例えると「ブルッ」。各社それぞれの違いがあるので、気になる人は試してほしい。
■オプション比較 「存在感↑ケース」vs「硬派レザーケース」
最後にそれぞれ付属品を比較。「Approach Z30」のカバーケースは、黒&白の商品と合わせたカラーリング。開閉はチャックだけではなく赤いゴムバンドが付いていて、差し色が見栄えをよりアップしてくれる。
一方の「PowerShot GOLF」はシックなレザーケース。ガーミン同様にベルトに付けられる紐付きで安心。ガーミンより少し落ち着いたデザインだが、あくまでもそこは硬派な同社ゆえのもの。
「つながる」と「撮る」――。両モデルともそれぞれの長所を生かし、個性を最大限に発揮した優れものということが分かった。オリジナリティを前面に打ち出した変わり種というより、今後スタンダード化していく機能の先駆的モデル、レーザー距離計の新時代をこじ開ける“革命的機種”になり得る気がした。(編集部・内田佳)
取材協力/ガーミンジャパン、キヤノンマーケティングジャパン
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